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事業売却IT・ソフトウェア

20代でM&A売却を経験して変わったこと──株式比率と契約書に潜む落とし穴

2026/5/7(匿名)
20代でM&A売却を経験して変わったこと──株式比率と契約書に潜む落とし穴

目次

  1. 1.売却後、プライベートはほとんど変わらなかった
  2. 2.仕事の中身は大きく変化──「自分でやる」から「任せる」へ
  3. 3.PMIで衝突がなかった理由──カルチャーと第三者の支え
  4. 4.カルチャーフィットは「最初に」見るべき
  5. 5.12年に一度ホームランを狙う──次のチャレンジ
  6. 6.これからM&Aを検討する起業家への教訓

自社をM&Aで譲渡した起業家は、その後どのような生活を送り、何に時間を使うようになるのか。本記事では、20代でM&Aによる株式売却を経験した渋川氏に、売却後のプライベート・仕事の変化、PMI(買収後統合)の実態、そしてこれからM&Aを検討する起業家へ伝えたい教訓を聞いた。


売却後、プライベートはほとんど変わらなかった


渋川氏によれば、売却契約を経て入金が完了した後も、プライベート面での変化は「ほとんどなかった」という。金銭感覚にも大きな変化はなく、目立つ買い物をした記憶はほぼないと振り返る。


ただし、旅行など「体験」に時間とお金を使いたいという意識は強まり、海外渡航や見識を広げるための自己投資にはお金を回すようになったという。派手な散財ではなく、自分の世界を広げる方向にリソースを振り分けるスタイルだ。


仕事の中身は大きく変化──「自分でやる」から「任せる」へ


一方、仕事面の変化は大きい。元々はBtoB SaaSの事業運営者として、セールス・カスタマーサクセス・バックオフィスまで一人で広く担っていたが、売却を機に「人に任せる機会」が一気に増えた。


売却前は社員5名規模だった組織は、現在12名にまで拡大。元からいた社員に加え、売却先のジェイック社から取締役や従業員が出向で送り込まれる形でメンバーが増強された。これにより、渋川氏自身は実務から離れ、本来手をつけたかったシステムのアップデートや新規事業への投資に時間を使えるようになったという。


PMIで衝突がなかった理由──カルチャーと第三者の支え


M&A経験者の先輩からは「カルチャーが融合できない」「人の問題で働きづらくなる」といった声を多く聞いていたといい、当初は不安もあった。しかし結果的には、目立った衝突は発生していない。


背景には、親会社にあたるジェイック社の丁寧なコミュニケーションと、社員側にとってのメリットがあった。元々のドベンチャー的な体制から、上場会社水準の給与・福利厚生・働き方に揃えられたことで、社員のウェルビーイングが大きく改善したという。


さらに、PMI(M&A後の統合プロセス。Post Merger Integration)について経験も知識もなかった渋川氏を支えたのが、当時から関わっていた株主・寺田氏の存在だ。経験豊富な第三者として契約書の段階からアドバイスをもらえたことが、スムーズな統合に繋がった。


ジェイック社は教育研修・人事領域を主軸とし、ニートやフリーター、就職氷河期世代の就職支援から事業を広げてきた会社。「人を育てる」「対人支援」のカルチャーが社内に根付いており、その温度感がPMIにも好影響を与えたと渋川氏は語る。


カルチャーフィットは「最初に」見るべき


この経験から渋川氏は、売却を検討する起業家に対して「売却先のカルチャーは超重要」と強調する。


会社は売って終わりではない。譲渡後も事業は続き、ユーザーや社員が残る。ここで統合プロセスがうまくいかないと、ユーザー離れや成長の停滞といった形で跳ね返ってくる。だからこそ、金額や条件面の交渉よりも先に「カルチャーが合うか合わないか」を判断軸に据える方が、中長期では結果的にうまくいくのではないか、というのが渋川氏の見立てだ。


12年に一度ホームランを狙う──次のチャレンジ


今後について問われると、渋川氏は自身の干支である寅年を引き合いに出し、「12年に一度、ホームランを打ちたい」と笑う。最後まで残ってくれた株主との約束として、フルスイングを続けていくという。


そのために今は、学びや見識を広げる時間に投資し、新しい市場を探っているフェーズだ。次の事業領域は固定しておらず、自身のアイデンティティであるエンジニアリングやSaaSから一歩外に出た領域、たとえばアパレルのようにプロダクトを手で触れる分野にも関心を寄せている。そこにITやデジタルをどう融合させるかという問いも、自然と次のテーマになりつつあるという。


これからM&Aを検討する起業家への教訓


インタビューの最後、これからM&Aを検討する起業家へのアドバイスとして渋川氏が真っ先に挙げたのが「株式比率」だ。


株式会社として株式による資金調達を行っている以上、誰にどれだけ株を渡しているかは常に意識しておくべき項目だという。渋川氏自身も、初期に取締役へ株式を渡したり、ストックオプションを設計したりと、資本政策で株式を扱う機会が多くあった。振り返って大きなミスがなかったからこそ、今回のM&Aがスムーズに進んだとも言える。


どこかで投資家や社内に過剰に株式を渡していたり、契約書の表現が曖昧だったりすると、デューデリジェンス(買収側が対象企業を精査するプロセス)の期間が一気に数か月単位で伸びることもある。落とし穴は資本政策のあらゆる場面に潜んでいる。


そしてもう一つの教訓が、契約書レビューを自分一人で完結させないことだ。投資家側に悪意がなくても、情報の非対称性は常に発生する。これは資金調達時にも売却時にも、起業家に共通してのしかかる困難だ。


タイムチャージが高く見えても、節目では弁護士に依頼して契約条項の意味を確認する。自分でも本を読んで勉強する。知識のある先輩起業家に意見を聞く。こうしたワンクッションを必ず挟むこと。「評価されているという感覚」と「契約条件として有利かどうか」はまったく別の話であり、慎重に見るべきだと渋川氏は強調する。


渋川氏自身も、M&A仲介会社の社員が入社時に読む専門書を10冊ほど買って読み込み、「相手側が何を見ているのか」を理解しようと努めたという。書いてある内容の半分以上は当初わからなかったというが、相手の視点を学ぶ姿勢こそが、最終的に納得感のあるディールに繋がったと振り返る。


今回のM&Aは仲介会社を入れず、株主のサポートを受けながら進めた事例でもある。だからこそ、自身で学び、第三者に頼り、契約と資本政策を丁寧に積み上げていくプロセスの重要性が、より鮮明に語られた回となった。


※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです

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