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買収教育・人材

ポートが楽天みん就を22.5億で買収|春日社長が語る新卒人材ビジネス成長戦略

2026/5/2ポート株式会社
ポートが楽天みん就を22.5億で買収|春日社長が語る新卒人材ビジネス成長戦略

目次

  1. 1.楽天みん就買収の舞台裏
  2. 2.就活会議買収から3年半で得た成功体験
  3. 3.半年未満で決着したスピード交渉
  4. 4.就活プロセスを分解しプロダクトを揃える戦略
  5. 5.口コミサイト市場とポジショニング
  6. 6.新卒エージェント事業、直近2年で急成長
  7. 7.新卒紹介ならではのキャッシュフロー設計
  8. 8.人材ビジネスの肝は「集客力」
  9. 9.マーケとエージェントが共存できる組織のつくり方
  10. 10.まとめ

楽天みん就買収の舞台裏


ポート株式会社が、楽天が運営してきた就活生向け口コミサービス「みん就(みんなの就職活動日記)」を22.5億円で買収した。多くの就活生が一度は登録経験を持つ国内有数のサービスであり、そのインパクトに対して買収金額は妥当なものだったのか。代表取締役CEOの春日博文氏に、買収の経緯から人材ビジネスの本質までを聞いた。


春日氏は、今回のM&Aの対価について「妥当だと思った」と語る。その判断の背景にあるのは、2020年7月に実行した「就活会議」買収の成功体験だ。


就活会議買収から3年半で得た成功体験


2020年、コロナ禍の真っ只中に実行された就活会議の買収は、ポートにとって大きな転機となった。


「会員数も伸びていますし、ユーザーさんの口コミの投稿数も増えていますし、当然売上も伸びたので、グループに対するインパクトもかなりの比率になってきています。このM&Aがなかったらと思うと怖いですね」(春日氏)


買収後は「就活会議エージェント」を立ち上げ、人材紹介事業へも展開。メディアからエージェントへの送客という一気通貫のモデルを構築した。この成功パターンが、今回のみん就買収の意思決定を後押ししている。


半年未満で決着したスピード交渉


今回のM&Aは、ポート側から金融機関にビジネスマッチングを依頼することからスタートした。話が動き始めたのは夏頃、本格的な交渉は11月から始まり、契約締結まで半年もかかっていない。


スピード感の背景には、春日氏自身が経営企画チームと共に最初から提案資料を作り込み、初期ディスカッションに臨んだことがある。


「最初から提案のディスカッションマテリアルを作って持っていくのは、結構いいと思っています。本気度が分かるし、それだけ考えてもらえているなら多少はちゃんと考えてもいいなと思ってくれる」


就活プロセスを分解しプロダクトを揃える戦略


ポートが描く成長戦略は、就活生のジャーニーをフェーズごとに分解し、それぞれに最適なプロダクトを揃えていくというものだ。


- 就活全般の準備期:キャリアパーク

- 選考期間中:就活会議(選考対策)

- 合同説明会シーズン:イベント検索サイト

- 企業研究・口コミ:みん就


「就活生は就職活動の準備を始めてから終えるまで1年〜1年半かかる。この期間で使うプロダクトはフェーズごとに変わる。プロセスすべてにユーザー向けプロダクトを作っていくと考えると、みん就はプロダクトラインナップ拡充としてグループインしてもらった形」


プロダクトラインナップの拡充は利用頻度の向上に直結し、結果としてマネタイズ機会の最大化につながるという考えだ。


口コミサイト市場とポジショニング


口コミサービス市場では、みん就とオープンワークが2強と認識されている。両者は同じ口コミでも性質が異なる。


「オープンワークさんは現場の社員の方の口コミ、みん就は就活生同士の口コミ。閲覧したいものが違う」と春日氏は分析する。みん就は就活生コミュニティとしての独自性を持ち、SEO面でも強く、口コミ件数も数万件規模に達している。


新卒エージェント事業、直近2年で急成長


ポートのエージェント事業は立ち上げから6〜7年。直近1〜2年で売上が前年比60〜70%で伸び、人材紹介がグループ内でも最も成長している領域となっている。


しかし、立ち上がりは順調ではなかった。最初の2年は3〜4人体制で、決まる月と決まらない月の差が大きく「伸びないかも」と感じる時期もあったという。


「人材紹介のような労働集約型のビジネスは、一定の組織ボリュームで事業を作り始めた方がいい。10人、20人の単位でやれば、必ず決定が出てくる」


3年目から一気に増員したことで、戦力化スピードや1人あたりの決定数といった指標の改善が進み、本格的な成長軌道に乗った。


新卒紹介ならではのキャッシュフロー設計


中途エージェントとの違いとして、春日氏は「就活生は絶対に就活をするし、絶対にどこかに入社する」という構造的優位性を挙げる。中途のように「転職するかしないか」という前提が揺らがないため、ゴールが見えやすい。


また、ポートでは内定承諾のタイミングで請求する仕組みを採用しており、入社時一括請求と比べてキャッシュフロー面のリスクを抑えている。


さらに今回のみん就買収によって、新卒で獲得した会員を既卒・第二新卒の転職マーケットへも継続的に活用する循環が強まる。


人材ビジネスの肝は「集客力」


人材ビジネスにおける最大のカギは何か。春日氏の答えは明快だ。


「絶対に集客です」


2C向けのSEO対策や口コミなど、透明性の高いプロダクトを提供して会員基盤を築くことが競争力の源泉になる。一方で、これを実現できる企業は意外に少ない。


「営業が強い会社は原則ウェブマーケティングが苦手で、ウェブマーケティングが強い会社は営業が苦手。両方が共存できる組織を作るのがすごく大変」


マーケとエージェントが共存できる組織のつくり方


ポートでは、プロダクト側のメンバーがエージェント現場のメンバーにインタビューしてコンテンツに反映させたり、エージェント側がデータベースから就職支援率の高い会員と優先的に接触するなど、相互にメリットを感じられる仕組みを設計している。


「お互いに『これ一緒にいていいね』と組織の中で思えるようにすることが大切」


ただし、立ち上げ初期は文化を分けて成長させた方がよい場面もある。ポート自身も、人材紹介とプロダクトがまだ小さかった頃はオフィスを分けて運営し、成長してから融合させることでシナジーを最大化してきた。


まとめ


ポートのみん就買収は、単なるサービス取得ではなく、就活生のジャーニーを網羅するプロダクトポートフォリオを完成させ、エージェント事業の集客基盤をさらに強化する戦略的な一手だ。就活会議買収で得た成功パターンを再現できるか、今後の動向が注目される。


※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです

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