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事業売却教育・人材

24歳で上場企業へ株式譲渡──株式会社掛田・シカ氏が語る、5回のピボットを越えたM&A体験談

2026/5/7株式会社掛田
24歳で上場企業へ株式譲渡──株式会社掛田・シカ氏が語る、5回のピボットを越えたM&A体験談

目次

  1. 1.19歳で創業、資本金1万円からのスタート
  2. 2.サービスは5回ピボット──EdTechからキャリアカウンセリングへ
  3. 3.「M&A」を知らず、IPOを前提に進めた当初の資本政策
  4. 4.資金調達中に届いた買収提案がM&A検討の起点に
  5. 5.ダウンラウンドを回避できた半年間の交渉
  6. 6.「人生で一番忙しい時期」と腹を括った異常な業務量
  7. 7.エンジェルとVCで異なる「立場」と交渉の現実
  8. 8.着金確認まで気を抜けない──M&A特有の緊張感

2018年に株式会社掛田を創業し、4年後の2022年に教育研修領域の上場企業ジェイックへ株式譲渡を実現したシカ氏。当時24歳という若さで、自身の生まれ年である寅年に売却を完了させたという。19歳で創業した会社をエグジットさせるまでには、5回のピボットや10名を超える株主との交渉があった。資金調達から売却までのプロセスを、本人の言葉でたどる。


19歳で創業、資本金1万円からのスタート


シカ氏が株式会社掛田を立ち上げたのは19歳のとき。資本金はわずか1万円だった。事業を始める原資をどう確保するか考えた末、第三者割当増資と借入を同時並行で進めていく道を選ぶ。


最初のバリュエーションは1億円。直後に日本政策金融公庫から1,000万円超の借入を実行できた。預金残高として一定の規模が見えていたこと、そして最初の株主が公庫の担当者を紹介してくれたことが大きかったとシカ氏は振り返る。


「紹介があるかないかで、公庫の借入のしやすさは全然変わる」


スタート時のチームは、シカ氏と同年代の友人である共同創業者を含むエンジニア4人体制。共同創業者には5%の株式を譲渡し、ここから組織を拡大していった。


サービスは5回ピボット──EdTechからキャリアカウンセリングへ


現在の主力サービス「駆け出す」に至るまで、掛田は実に5回のピボットを経験している。


最初に手がけたのは学習領域のEdTechで、勉強のログを管理する「ラダー」というアプリ。本人いわく「勉強版のクックパッド」のようなサービスだった。次に手がけたのが、LINEのチャットボットを活用した学習コンシェルジュサービス。その後、対象を企業向けへとシフトしていく。


企業の人事担当者や教育領域の担当者と対話を重ねるなかで、ある課題が浮かび上がってきた。


「いろんなeラーニングツールはあるが、そもそも社員に使ってもらうためのモチベーションがない」


内発的な動機付けや動機形成をどう実現するか。この問いから、カウンセリングやコーチングの領域へと事業は深化していく。最終的に行き着いたのが、社内でフラットにキャリア相談ができるBtoB SaaS「駆け出す」だった。コロナ禍の2021年にリリースされ、多くの企業に導入が進んだ。


「M&A」を知らず、IPOを前提に進めた当初の資本政策


意外なことに、創業当初のシカ氏はM&Aという単語すら知らなかったという。株主や投資家との対話も、すべてIPOを前提に進めていた。


それでも資本政策を堅実に組めた背景には、最初に出会った個人投資家の存在がある。エンジェル投資家として参加してくれた相川みお氏は、上場企業のCFO経験者で公認会計士の資格を持つファイナンスのプロフェッショナル。バリュエーションの決め方、次のラウンドに向けた資本政策のあり方など、要所でアドバイスを得られたことが大きかった。


相川氏の紹介でその後の株主も広がっていく。シカ氏は、エンジェル投資家とVCの違いについてこう語る。


「VCとエンジェル投資家は役割が近いが、関わってくれる時間の密度や影響力ではエンジェル投資家のほうが大きい。誰が一番最初の株主になるかは非常に重要」


資金調達中に届いた買収提案がM&A検討の起点に


M&Aを具体的に意識し始めたのは、駆け出すの事業が立ち上がった2022年に入ってから。きっかけは資金調達の最中に届いた、ある事業会社からの提案だった。


その会社は、出資オファーと同時に買収提案も持ちかけてきた。同じ法人向けサービスを展開している企業が、出資ではなく買収を選択肢として提示してきたことで、シカ氏は初めてM&Aの相場感やシナジーの規模感を具体的にイメージするようになる。


「M&Aのタイミングがベストかどうかは、最後の最後までわからない。金額の妥当性も、自分でやり続けたほうが伸びる可能性も、変数が多すぎて、自分から思いついて動こうとは思えない。むしろ提案をもらったときに『今ならこういう将来が描けるのか』と逆算できるようになる」


ゴールから逆算する視点が持てたのは、外からのオファーがあったからこそだという。


ダウンラウンドを回避できた半年間の交渉


最終的に、掛田は上場企業ジェイックへの株式譲渡を、ダウンラウンドにせずまとめ上げた。ただし、その道のりは決して平坦ではない。交渉期間は約半年に及んだ。


株主は10名超。VCも2社入っていた。それぞれに対し、いつ・どのように伝えるかを設計するところから交渉は始まる。


進め方の基本フローはこうだ。まず買い手から最初のオファーを受け、自社として通したい条件を社内でまとめる。それを株主に共有し、戻ってくる意見やアドバイスを踏まえて売却先と再交渉する。これを何度も繰り返す。


「人生で一番忙しい時期」と腹を括った異常な業務量


プロダクト開発と並行してM&A交渉を回す負荷は、シカ氏にとって想像を超えるものだった。インサイダー情報を抱える以上、社内メンバーには共有できない。一人で抱え込みながら、通常業務を回し続ける必要がある。


そんなとき、株主の一人であるSFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)の坂先生から、こう声をかけられた。


「今は人生で一番忙しい時期だと思ったほうがいい。通常業務もある、株主とのやりとりもある、これは忙しいのが当然だから腹を括ってやり遂げろ」


シカ氏は当時を振り返る。


「『あ、こういうもんなのか』と思った瞬間に、まだまだいけるなと思えた」


メンタル面では「だいぶやばかった」というが、毎週続けていた1on1のコーチングが客観性を保つ支えになった。「まともな状態だったら難しい」ほどハードな時期だったとシカ氏は明かす。


エンジェルとVCで異なる「立場」と交渉の現実


株主との折衝のなかで、シカ氏が痛感したのが、エンジェル投資家とVCの「立場の違い」だった。


エンジェル投資家は、シカ氏の人生やキャリアまで含めて応援してくれていた。最終的な売却の意思決定でも、誰一人として反対する人はいなかったという。


一方でVCは、自分の資金ではなく他者から預かったファンドを運用している立場だ。リターンを出さなければならない以上、ビジネスライクに対峙する必要がある。


「もう1年頑張ればバリュエーションが倍になるかもしれない」「PLをこう作ればもっと高く売れるのでは」──VCからは、合理的な観点からのさまざまな見立てが示された。シカ氏はこの局面を「結構しんどかった」と表現する。


「ビジネス構造上の話。個人の性格やパーソナリティ、関係性は一旦置いて、その人が全うすべき役割がある。コミュニケーション上、僕からすると非常に辛いこともあった」


この構造を理解した上で資金調達やM&Aに臨むことが重要だ、というのがシカ氏が伝えたい教訓のひとつだ。


着金確認まで気を抜けない──M&A特有の緊張感


契約締結から入金確認まで、緊張感は途切れることがなかったという。


シカ氏は過去、第三者割当増資の段階でも、調印直前に交渉が破談しかけた経験を持つ。お世話になった先輩経営者からは「調印して口座への入金を確認するまで、その交渉は終わっていない」と言われ続けてきた。


調印してもまだ何が起きるかわからない。ましてや今回は動く金額が大きく、巻き込む人数も多い。最後まで気を緩められなかった。


動画後半では、売却後の生活やキャリアの変化についても語られる予定だ。


※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです

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