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総合>ビジネス動画>社長の発言が変わるのは悪なのか?新規事業を成功に導く意思決定の鉄則

社長の発言が変わるのは悪なのか?新規事業を成功に導く意思決定の鉄則

2024/2/19
M&A CAMPチャンネル
M&A CAMPチャンネル運営局

起業家の発言が短期間で変わることは「ブレ」なのか、それとも思考の進化なのか。経営者が日々向き合うべき意思決定の深さと、ワンウェイ/ツーウェイで分けて考える判断軸について、起業家同士の対話から探ります。

1ヶ月前の自分と今の自分、言うことが変わるのは悪なのか


起業して間もない経営者が抱えがちな悩みのひとつに、「自分の言うことが頻繁に変わってしまう」というものがあります。インプットを高速で咀嚼し、アウトプットへ反映させる中で、1ヶ月前に語っていた内容と今語っている内容が食い違う。そうした状況に対し「侵害(信頼を損ねること)になっていないか」と申し訳なさを感じる起業家は少なくありません。


本記事で取り上げる事業相談企画では、そんな悩みに対して「適切な揺り戻しを起こしているだけで、申し訳なさを感じる必要はない」という回答が示されました。本気でそう思って発信しているのであれば、ついてくる人はついてくる。重要なのは、その変化が思考の深まりから生まれているかどうかです。


プラットフォーム型の幻想と、自分の事業に立ち返る視点


相談者は当初、プラットフォーム型ビジネスを最良の形と考え、周囲を巻き込んでいました。しかしある時「自分のやりたいことに対して、本当にそうだろうか」と立ち止まり、方向性を見直したといいます。


この方針転換について、対話相手はむしろ合理的だと評価します。プラットフォーム型のビジネスで成功している企業はほぼ存在しない。一方で、人材紹介などのオペレーション型事業は日本の人材構造とも相性が良く、得意な人材も豊富です。「オペレーション事業をやりたくない」という人は離れていくかもしれませんが、成果が出ていれば残る人は残る。万人に正解として映る決断は存在せず、無理に全員を引き留める必要はないという考え方です。


自分の思考進度を、自分自身でモニタリングする


対話の中で繰り返し強調されたのが、「自分の思考進度を自分でごまかさないこと」の重要性です。市場・テクノロジーの動向・資金環境への解像度がどれだけ上がっているか、その上でどれだけ良い意思決定ができているかは、本来であれば自分自身が一番よく見えるはず。


壁打ち相手がいないと自分の思考が見えないという感覚は、裏を返せば「誰かに頼り続けてしまう」状態でもあります。しかも、他人は適当なことを言うこともある。だからこそ、自分の中で見えるようにしていくことが先決だ、というのが対話相手のスタンスです。


他社の成功例・失敗例は、思ったほど参考にならない


「他社が同じような事業で失敗した」という情報は、しばしば意思決定の根拠として持ち出されます。しかし対話相手は、その時の状況も、社内にいた人も、どんな会話が交わされていたのかも分からない以上、ほとんど参考にならないと指摘します。


それよりも、自分たちがどれだけ意味のある議論をして、納得感のある意思決定ができているか、足りなかった情報は何かを問い続けることのほうが重要だといいます。


過去10年は、次の10年には当てはまらない


対話相手は、過去10年で大きく伸びたスタートアップを6〜7パターンに言語化して分析しているといいます。その上でたどり着いたのは「過去10年の勝ちパターンは、次の10年には当てはまらない」という結論です。


10年前にはプラットフォーム型企業が隆盛し、多くの起業家がそれを目指して資金調達をしていました。しかし結果として、ほとんどがうまくいかなかった。だとすれば、次の10年で同じ失敗を繰り返さないために、自分なりに過去を深く分析し、現在のアウトプットの質を高めることが欠かせません。その質を嘘なく見つめ、社員や外部投資家にきちんと説明できるのであれば、「言うことが変わる」ことを過度に心配する必要はないというわけです。


ワンウェイの意思決定とツーウェイの意思決定を切り分ける


もうひとつ重要な視点として挙げられたのが、意思決定を「一度決めたら戻れないもの(ワンウェイ)」と「決めても戻せるもの(ツーウェイ)」に分けて捉えることです。


資本政策や大型の資金調達、役員の登用といった領域はワンウェイに近く、後から取り返しがつきにくい。ここは多面的に検討し、時間をかけて慎重に判断する必要があります。一方で、それ以外の通常の意思決定は、むしろスピードを優先したほうが良い。早く決めて、走りながら修正していくほうが事業は前に進みます。


また採用については、変化に強い人材を見極める手段としてSPIなどの適性検査の活用例も語られました。前職で活躍している社員の波形を統計的に分析し、変化に強い特性を持つ人を採用するという手法は、カルチャーをつくる上で合理的なアプローチだといえます。


経験値が増えた経営者ほど、スピードが鈍る逆説


対話相手自身も、経験値が増えたがゆえにスピードを出すほうが難しくなってきていると吐露しています。過去にパンパンと素早く意思決定をしてミスをした経験が積み重なり、「いいのかな、いいのかな」と迷っているうちに、若い経営者がスピーディーに決めて先行していく――そんな場面を目にする機会が増えたといいます。


さらに、ワンウェイの意思決定であってもいろいろな人の意見を聞きすぎてしまい、結果的に時間ばかりがかかってしまう。「そんな暇があったらやれ」というアドバイスは、経験の浅い時期にこそ刺さる言葉でもあります。


ただし、何も知らない初期の段階で、資本政策のようなワンウェイの意思決定を勢い任せに繰り返すのは危険です。後から「めんどくさい」事態を招きかねない領域、たとえば資本政策や役員人事は、ツーウェイに見えても実際には時間のかかる修正コストを伴います。ここだけはずらさず、それ以外は迅速に切り替えていく――これが、対話の最後に示された実践的な指針でした。


まとめ


社長の発言が変わることそのものは、必ずしも悪ではありません。問われるのは、その変化が思考の深まりから生まれているか、自分自身で進度をモニタリングできているか、そしてワンウェイとツーウェイの意思決定を切り分けて扱えているか、という三点です。他社事例や既存の成功パターンに過度に縛られず、自分の言葉で説明できる意思決定を積み重ねることが、新規事業を成功に導く鉄則だといえそうです。


※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです

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目次

  1. 1.1ヶ月前の自分と今の自分、言うことが変わるのは悪なのか
  2. 2.プラットフォーム型の幻想と、自分の事業に立ち返る視点
  3. 3.自分の思考進度を、自分自身でモニタリングする
  4. 4.他社の成功例・失敗例は、思ったほど参考にならない
  5. 5.過去10年は、次の10年には当てはまらない
  6. 6.ワンウェイの意思決定とツーウェイの意思決定を切り分ける
  7. 7.経験値が増えた経営者ほど、スピードが鈍る逆説
  8. 8.まとめ
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