YouTubeチャンネル登録者30万人を突破した田端信太郎氏が、DMM亀山会長に投資助言業のライセンス取得や有料メンバーシップ化のグレーゾーン攻略法を相談。さらに「2発目を当てる経営者」の共通点や、爪跡を残す生き方まで語り合った対談を再構成。
株式投資に特化したYouTubeチャンネルで登録者30万人を突破した田端信太郎氏。広告収入によるフリーハンドな運営に手応えを感じる一方、スタッフを増やし事業として本格化させるべく、有料メンバーシップによるサブスクリプション展開や、YouTubeライブを通じた個人投資家への株式相談などを構想している。
しかし、そこには大きな法的ハードルが立ちはだかる。投資助言業のライセンスを取得しようとすれば、供託金500万円に加え、金融機関勤務経験のあるコンプライアンス担当者を1人以上置くことが求められる。証券会社や銀行の経験がない田端氏にとっては、現実的とは言いがたい条件だ。
そこで田端氏は、M&Aや事業展開の経験豊富なDMM.com会長・亀山敬司氏に直接相談を持ちかけた。本記事では、田端氏が抱えるリアルな悩みと、亀山氏の率直な回答を再構成してお届けする。
田端氏が直面しているのは、「個別の銘柄に対して売買を断言しなければ問題ない」とも読める一方で、実態としてはどうしてもグレーゾーンに踏み込まざるを得ないという、投資助言業に関する法律のニュアンスである。
田端氏は弁護士に相談を重ねたが、結論として「事業のなかで法律的に真っ白には読めない領域を攻めなければならない部分が、正直ないとは言えない」と語る。そのうえで、亀山氏にグレーゾーンの攻め方についてアドバイスを求めた。
亀山氏はまず「めちゃくちゃ難しい質問」と苦笑いしつつも、率直に応じた。「田端さんぐらいフォロワーがいれば、経験のある人がただで手伝うと言ってきそうな気もする」と話を振ったうえで、ライセンスを保有する事業者と組むことが基本線になることを示唆する。
ただし、ガチガチの日本の証券会社と組んだ場合、YouTubeライブの台本や質問内容を事前にチェックされる運用になり、ライブ感のある生相談はほぼ成立しないという。SBIなど大手証券会社が募集してフィーを支払う形であれば、より「白」に近づく一方、それでも完全にクリアになるわけではない。
亀山氏は自身のスタンスを率直に明かした。「露店をやっていた頃なんかは、結構適当なこともやってきた。昔はグレーなら渡れと言っていた時期もある」と振り返る。
DMM.comもYouTube事業、ビットコイン事業、民泊事業など、当初はグレーとされていた領域を先行して手がけ、社会のルールが追いつくにつれて公式チャンネルや認可事業へと展開してきた歴史がある。「ルールが変わるために先行してやるのは、どちらかというとスタートアップ向き。失うものがないからこそ勝負できる」というのが亀山氏の基本認識だ。
ただし、現在のDMMの規模になると話は別だという。「ちょっとでもグレーがあったら、今はやめましょうという結論になる。今のDMMはガチガチで、その辺りは厳しめ」と現状を説明した。
田端氏も自身のリスクとして、「自分一人ならいい。だが組織化してスタッフを巻き込めば、検挙されたときに自分一人の問題ではなくなる。そこを今、正直悩んでいる」と本音をのぞかせた。
議論はさらに具体的なケースへと及んだ。亀山氏は「田端AIだったらどうか。AIに投資相談する人は今後出てくる」と問いかける。これに対し田端氏は、AIで月3000円といった料金を取る形は「アウトに近い」と指摘。一方でChatGPTやGoogleの汎用AIが投資の相談に答える形は「薄めのグレーで、ほぼ白寄り」だが、厳密に解釈されれば引っかからなくもないという。
さらに田端氏は、無料YouTubeライブで相談を受けたケースについても踏み込んだ見解を示した。「確定的なことを言わなくても、参考になりましたとお礼を言って投げ銭が入ってくる。それが継続して繰り返されれば、業として行っていると見なされ、無料ライブの投げ銭でもアウトに近づく可能性は法律上ゼロではない」。弁護士法上の非弁行為に近い構造である。
亀山氏は「社会実験のためにも、捕まってみたら」と冗談めかしながらも、「金融業者としての責任と、一個人がやってしまった場合のキャラクターとしての扱いは違う。倫理は自分で決めるもの」と、最終的な判断を田端氏に委ねた。
話題は経営者像へと移った。亀山氏は普段からフラットでフレンドリーな雰囲気で知られる一方、世の中には派手で「ギラギラ」した経営者も多い。田端氏は前澤友作氏らとの交流もあり、そうした両極端なタイプを間近で見てきた立場だ。
司会のヨッピー氏は、「ちょっとお金を持ったからといって六本木で飲み歩き、ヴィトンやバレンシアガを着始める人はダサいと感じる」と率直な感想を述べた。
これに対し田端氏は、「かっこよさは人それぞれが自分の美学で決めればいい」と前置きしたうえで、独自のかっこよさ観を披露する。「常にかっこよく見られたいかと鏡をチラチラ見ているような人はかっこ悪い。逆に、必要なときには泥をかぶってでもさっと動ける人がかっこいい」。
亀山氏も自身のスタイルについて、「1日汗をかいた服をクリーニングに出すのが面倒なので、ユニクロでいい。それは個人の話で、人が着たいものを着ればいい」と自然体の姿勢を語った。
話題は「一度大きく当てた経営者が、二度目も成功できるのか」という問いに移った。亀山氏は「結構、運が8割。同じ力でも同じヒットを出すのは難しい。曲でも絵でも同じ」と慎重な見方を示す。
ヨッピー氏は、「何発も当てる経営者には共通点がある。泥臭さを厭わないタイプ」と指摘。孫正義氏や柳井正氏のように「決めたら石にかじりついてでも、怒鳴り散らしてでも達成する」キャラクターを例に挙げた。
田端氏は別の角度から答える。「必ず当たるわけではないが、1発当てた人のほうが2発目を打つ確率は明らかに高い」。例として、堂本剛氏ではなく堀江氏でもなく、宿泊業を手がけるノッパホテルのケースを挙げた。「CGで描いた建物をマンション販売の感覚で何千万円と売っている。施主が信頼できる人物だという世の中の信用関係があるからこそ成立する」。
ゼロから始める起業家に比べ、トラックレコードのある経営者はマンション販売の前金で建設キャッシュを確保するなど、構造的に有利になる側面があるという。
亀山氏が経験から強調したのが、「日頃の経費をいかに抑えるか」という地味な習慣の重要性である。
「ゲーム業界などで当たるか外れるかの大勝負をしていると、つい派手にいきがちになる。だが意外と、オフィスの家賃やコネクションをコツコツ抑えてきた人が、次の打席に立てる」。
仮に5発目で当たらなかったとしても、固定費を抑えていればもう1年事業を続けられ、6発目で当たる可能性が残る。逆に、当たったときの感覚で固定費を膨らませていると、外れた瞬間に終わってしまう。「コツコツとコストを下げる地道さは、派手なビジネスをしている人ほど大事」というのが亀山氏の結論だ。
そのうえで亀山氏は、個人的な生活については別の見解を示す。「憧れているブランドがあるなら買ってもいい。欲望に蓋をするのは良くない。ただ、興味がないものに見栄で投じる必要はない」。
最後に、田端氏が目指す経営者像について問われた。返ってきたのは「爪跡を残したい。生きた爪跡みたいなもの」というシンプルな言葉だった。
田端氏は、自身が「人を雇うこと」と「他人からのお金を活用すること」を最初から拒否していると語る。動画というアウトプットは固定費が低く、自由度が高い。XやYouTubeといったプラットフォームを活用すれば、組織を持たなくてもできることは決して小さくないと考えているという。
動画、本、ツイート──手段は問わず、自らの手で残せる「爪跡」を追い求める。亀山氏も「目標を掲げるというより、プロセスそのものが楽しい。それが活きるということ」と共鳴を示し、対談は穏やかに締めくくられた。
※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです


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