DMMの亀山氏らから学んだ「ビビった時ほど前に出ろ」をはじめ、Facebookメッセンジャーやお問い合わせフォームを駆使して大物経営者へのアポイントメントを獲得する20の実践的なコツを、M&A CAMP編集長が自身の経験を交えて解説する。
M&Aや事業推進、メディア運営において、大物経営者や著名な専門家とのアポイントメントは事業を一気に前進させる重要な一歩となる。M&A CAMP編集長は、お問い合わせフォームやFacebookメッセンジャーを通じて新規でアポを取り続けてきた経験から、再現性の高いアポイントメント獲得のコツを20項目にまとめている。本記事ではその要点を再構成し、明日から使える実践的なノウハウとして紹介する。
営業や交渉では、相手が怖く見えるほど、目上であるほど、できるだけ前に出る姿勢が重要だ。これはDMMの亀山氏から教わった言葉だという。
相手も多くの人と会う中で、自分の権威性や威圧感を自覚している。そういう相手だからこそ、勇気を出して前に出てくる人は印象に残るし、評価されやすい。「自分には無理そうだ」と感じる相手ほど、意外とアポイントメントが取れることが多いという逆説的な真実がある。
一度メッセージを送って返事が返ってこなくても、タイミングを変えて再度送れば返答をもらえるケースは多い。相手は単純に忙しいだけで、こちらが気にするほど自分のことを考えてはいない。
ただし、何度も連絡する際に意識すべきは「相手の1時間の価値」を正しく認識しているかどうかだ。自分の1時間と、たとえばYahooの社長の1時間の価値は大きく異なる。その差を踏まえた上で、提供できるメリットとリスペクトをきちんと示す姿勢が前提となる。
よく分からない人から届くメッセージでも、自分のことをきちんと理解した上で「好きだ」という気持ちが伝わる内容なら、嫌な気分にはならない。逆に、機械的なメッセージや表面的な情報だけで送られたものは、相手にとって魅力的に映らない。
人間は「好き」と言われたら好きになりやすい生き物でもある。アポイントメントを取る前提として、相手のことを本当に好きであり、それを伝えることが極めて重要だ。
アポイントメントの取得手段として、Facebookは依然として極めて有効だ。決済者層、つまり経営者や役員クラスのアカウントは今でも活発に動いている。若年層では使われていない印象があるが、ビジネス用途では絶対にインストールしてプロフィールを整え、活用すべきだ。
最近ではTwitter(X)も有効性を増している。DMを開放している経営者も多く、自分が何者であるかをプロフィールで明確にした上で、SNSを使い分けることがアポ獲得の手数を大きく増やす。
人によってモチベーションやエネルギーの源泉は大きく異なる。自己承認欲求が原動力になっている人、何かへの憧れが軸になっている人、強いコンプレックスをバネにしている人など多様だ。
相手の発言、過去の取材記事、メディア露出などを丁寧に読み込み、その人の心がどこに最も触れるのかを考え抜く。これはアポを取る上での核心的な作業となる。
アポイントメントを取ろうとすると、どうしても短期思考に陥りがちだ。しかし本当に大事なのは、会った後に長期的な人間関係を続けられるかどうかである。
信頼残高を崩さない形でアポを取り、2回目以降は相手に明確なメリットを提供できる関係性を築く。長期視点でのリレーション構築という目線は、アポ獲得時にもその後の関係維持にも不可欠だ。
FacebookやTwitterで個人へダイレクトに連絡できる場合、原則として社長や決済者に直接アプローチすべきだ。フィルターを経由するほど意図しない形で内容が伝わるリスクが高まる。
メディアや営業活動では、ブランドの強い企業や人気企業から先にアプローチすることも重要だ。たとえばサイバーエージェントに一度タイアップ動画を制作すれば、それを目指す企業100社のアポは格段に取りやすくなる。最初はビビるが、ビビる時ほど上から行くのが鉄則となる。
ただし、契約や案件が動き出した後は、社長に直接連絡するのではなく担当者と丁寧にやり取りすべきだ。これはM&A後のPMI(Post-Merger Integration:M&A後の統合プロセス)でも同じく重要な姿勢である。
自分の得意なこと、他者から客観的に見たときの強みを正確に把握することが大切だ。さらに、その武器がどのレベルにあるのかも冷静に見極める必要がある。
大学生時代にアポを取っていた頃は強みがないと感じていたが、「学生という身分」「若さ」自体を武器にしていた。現在は、過去に取材した動画事例や具体的な数字をエビデンスとして提示している。相手が今困っていることと、自分が出せる価値とのすり合わせが鍵となる。武器を把握した上で磨き続ける姿勢も重要だ。
どの界隈でも飲み会は頻繁に開催される。しかし基本的には、本当に行きたい場合を除いて参加しない方がよいというのが持論だ。特に当日に誘われてすぐ行くと「呼んだらすぐ来る人」というブランディングになってしまう。
単純に疲弊するし、いいように使われるケースも多い。「今しかない」というチャンスは別だが、それ以外なら飲み会に費やす時間を、自分に向き合って質の高いアポイントメント文面を送ることに使った方が、結果的に良いアポにつながる。
本当の大物は一周回って暇な場合が多く、意外とアポが取りやすい。ただし「大物そうに見えるが実は大したことない人」、いわゆるフェイントおじさんも存在する。
自分なりの怪しさフィルターを持って判断することが重要だ。Twitterのプロフィールに「年商◯◯億」「月商◯◯億」と書いている人は経験上ほぼ怪しい。実態のないまま大物に見せている層には注意し、本当の大物には積極的に手数を打つマインドが手数を増やす上で大切になる。
特定の取引先に売上が依存している状態は、フラットな関係構築の妨げになる。誰かに依存していない収益構造であれば、上下関係が生まれにくく、結果的に良い仕事につながりやすい。日頃から、誰かに依存しない体制と収益構造を意識して作っていく必要がある。
メディアの取材であれ営業であれ、何のために、誰のためにやっているのかが自分自身に向いている限り、うまくいかない。
もちろんモチベーションの源泉として自己承認欲求やコンプレックスを埋めたい気持ちがあること自体は否定しない。しかし、相手の時間を奪い、一緒に仕事をしてもらう以上、最終的に誰のためになり、社会的にどんな価値があるのかを伝えられること、そして本気でそう思っていることが必要だ。
編集長自身も、最初は自分のためという動機から始まったが、それだけではハングリーさも保てず、何より面白くないと感じた経験がある。本当にやりたいことを見つめ直すこと、ビジョンやミッションを持つことの重要性を強調する。
昔の実績という貯金で動いている人ではなく、常に志を上げ続け、向上心を持って成長している人のもとには、同じような人が集まる。
自分自身が志を上げ続けようとしているか、実際に成長軌道にあるかという状態を作ること。それがないと、「昔すごかった」と語るだけの人に引き寄せられてしまう。
アポイントメントは、人の紹介ではなく直接アプローチすることを基本としている。紹介してくれた人が連帯保証人のような立場になり、その人の信頼残高を消費してしまうリスクがあるからだ。
また、紹介者の顔を立てるために相手が会ってくれるという複雑な構造が生まれる場合もある。シンプルに自分たちの実力で会えるよう、紹介に頼らない姿勢を意識している。
何度も打ち合わせを重ねるのではなく、基本的にはぶっつけ本番で取材や撮影に臨んでいる。打ち合わせややり取りが増えるほど双方の負担が増えるためだ。
自分にとって気持ちよくコミュニケーションが取れる相手を見極めること。そしてアポ獲得時のメッセージには、文面・なぜ会いたいか・ターゲット・日程候補・場所・相手のメリットを最初から盛り込み、ラリーが最小限で済むように設計することが肝要となる。
20の方法を貫く根本は、熱量と相手への想像力の2点に尽きる。気合いと根性、そして相手への想像力と思いやりがあれば、大体のことはうまくいく。
アポイントメントの対象となる人を本当に好きでいて、「これがやりたい」「こういうことを実現したい」という熱を持って依頼すること。そして、自分のメッセージを受け取った相手がどんな気持ちになるかを徹底的に想像すること。失敗や叱責、二度目につながらなかった経験を重ねながら、相手への想像力の解像度を少しずつ上げてきたという。
何かを実現する上で最も成功確率を高める方法は、人を巻き込むことだ。やりたいと思ったらきちんと発信し、誰かを巻き込み、自分自身がやらざるを得ない状況を強制的に作り出す。
アポイントメントは、その「巻き込み」の最初のステップに位置する。事業を作る上でも、人を巻き込む力が決定的に重要となる。アポを取るという行為は、単なる打ち合わせ獲得ではなく、自らの事業や人生を前に進めるための第一歩なのだ。
※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです
