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総合>ビジネス動画>中東王族から約51億円調達、ビットコインと金で逆相関ヘッジ──Kラボ佐田哲也が語る再登板からの経営戦略

中東王族から約51億円調達、ビットコインと金で逆相関ヘッジ──Kラボ佐田哲也が語る再登板からの経営戦略

2025/12/23
M&A CAMPチャンネル
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4年連続赤字から創業者として再登板したKラボ代表・佐田哲也氏が、UAE王族からの約51億円調達、ビットコイン6:金4のリバランス戦略、AI新規事業への挑戦を語った。20代での会社倒産、拉致監禁、借金返済を経て掴んだ経営哲学とは。

4年連続赤字、株主総会で社長否決──創業者再登板の舞台裏


Kラボ株式会社の代表取締役社長・佐田哲也氏が、2026年4月1日付で社長に再登板した。同社は佐田氏が創業した会社だが、6年前に世代交代を意図して若い経営者にバトンタッチしていた。


しかしその後、業績は低迷。4年連続赤字に陥り、上場企業としては異例の事態が起こる。株主総会において、000人議案で社長が否決されたのだ。株主や他の役員からは「佐田氏が再登板する以外にこの場は収拾がつかない」と懇願され、佐田氏は不本意ながらも経営トップに戻る決断をした。


再登板時、会社のキャッシュは細っており、このままのバーンレートが続けば倒産が現実味を帯びる状況だった。さらに過去6年間で、株価が変動するMSワラント(ムービングストライクワラント)を2度発行しており、株価は最盛期の2,400円から100円程度まで下落していた。


MSワラントを断り、長期保有してくれる投資家を探す旅


佐田氏は再登板にあたって、複数の証券会社から「MSワラントをまた発行しませんか」というオファーを受けた。しかし、これらをすべて断った。


MSワラントは、株価から数%〜10%ディスカウントされた価格でワラントを行使でき、証券会社はそのスプレッドが利益になる。証券会社は行使したらすぐ市場で売るため、株価がさらに下落する構造だ。


「上場してもそういう証券会社にいいようにやられちゃうわけです」と佐田氏は振り返る。代わりに選んだのは、経営方針や戦略を理解した上で長期保有してくれる投資家、できれば事業面でも協業できる相手を探すという地道な道だった。


佐田氏は日本中を回った。群馬県・桐生の山奥まで個人投資家に会いに行ったこともある。電車で3時間かけて出向き、説明を続けた。それでも日本国内では条件に合う投資家がなかなか見つからなかった。


ドバイの王族との出会い──「キャプテン翼」が開いた扉


紹介の紹介をたどっていく中で、佐田氏は中東・ドバイにたどり着く。今回出資を決めたのは、UAE(アラブ首長国連邦)の王族たちだった。


決め手のひとつは、Kラボが手がけるサッカー漫画原作のゲームタイトルだった。中東では「キャプテン翼」は「キャプテンマジッド」という名前で広く愛されており、王族の中にもこのアニメを見てサッカーを始めた人が多い。


「中東の方々は日本のアニメ大好きですよ。サウジアラビアではドラゴンボールパークという遊園地も作っている。日本のアニメやゲームを扱っている会社は、ぜひ中東に資金調達やIRに行くべきです。大歓迎されます」と佐田氏は語る。


ただし、話が盛り上がっただけでは投資にはつながらない。決め手となったのは、後述する「リアルゴールド・トレジャリー」という独自の資金運用戦略だった。


ビットコイン6:金4の「逆相関リバランス戦略」


調達した約51億円のうち、約7割をビットコインと金の購入に充てる──この方針を見ると「ただのビットコイン保有会社」と誤解されかねない。だが佐田氏の戦略は、メタプラネットなどが採るビットコイン単独保有とは根本的に異なる。


Kラボの戦略は、ビットコイン6割・金4割で保有し、両者の値動きに応じてリバランスを継続的に行うというものだ。ビットコインを「デジタルゴールド」、金を「リアルゴールド」と位置づけ、逆相関の関係を活かす。


例えば、ビットコインが急騰すれば比率が8:2に偏る。そこでビットコインを売って金を買い増し、6:4に戻す。逆にビットコインが急落して4:6になれば、金を売ってビットコインを買い直す。新たな資金を投入することなく、両資産で「高値で売り、安値で買う」サイクルを回せる仕組みだ。


このボラティリティを利益に変える設計により、ビットコインが上昇局面でも下落局面でも収益機会が生まれる。さらに、株式市場全体が下落するようなリーマンショックや戦争などの局面では金が上昇するため、バランスシート全体のヘッジ効果も期待できる。


なお「6:4」という比率は黄金比と呼ばれ、ボラティリティが高い資産と安定資産を組み合わせる際の伝統的な最適配分だという。


中東の富裕層に響いた「両輪戦略」


中東の王族や投資家は、もともと金を保有する文化が強い。そのため「会社が金を保有する」という戦略は彼らに馴染みやすい。


しかしKラボの提案はそれだけにとどまらない。本業のゲーム事業に加え、AIを活用した新規事業に積極投資する一方、資金プールを金とビットコインで保全しインフレ・円安にも備える。「最先端のAIにベットしながら、一方で金で安定を取る」という両輪の戦略が、中東の富裕投資家に響いたという。


「投資家から見れば、現物の金やビットコインは自分でも買える。でもこの社長は意外に手堅いことをやりつつ、AIで攻めている。そのバランスが評価されたようです」と佐田氏は分析する。


第三者割当増資・ワラント・有償ストックオプションの組み合わせ


今回の資金調達は、第三者割当増資・ワラント・有償ストックオプションを組み合わせた構造だ。外部投資家には「生株とワラントを半々で出してもらう」方針を貫き、ワラントだけ欲しいという申し入れはすべて断った。


上場株はスタートアップ投資のように10倍・20倍を狙えるものではなく、半分は値下がりするリスクもある。だからこそ、生株でリスクを取ってもらう投資家のみを受け入れた。


さらに社内向けには有償ストックオプションを発行。条件は「ゲーム以外で売上10億円達成」かつ「時価総額を倍以上にする」というハードルの高いもので、どちらか一つでも達成できなければ紙切れになる。それでも幹部は全員購入したという。


「これを買うには会社の未来を信じていないとできない。買った以上は頑張るしかない。完全に当事者になります」と佐田氏。経営陣のコミットメントを経済的にも揃える狙いだ。


この3つを組み合わせる調達スキームは事例が少なく、関東財務局への承認や、UAE側の出資者審査にも書類面で苦労があったという。それでも4月の社長就任から3ヶ月程度でディールをまとめあげた。


ゲームから「AI×エンタメ」「AI×フィンテック」へ


佐田氏が再登板して真っ先に取り組んだのは、新規事業の立ち上げだった。スマホゲーム業界は端末性能の向上に伴い開発コストが高騰し、売上が伴わない構造的な厳しさを抱えている。


ゲーム事業では「世界で売れるアニメIPを使って世界市場を狙う」方針で戦う一方、それとは別軸でAI関連の新規事業を6つ並行で進めている。


ひとつはAIデータセンター事業。すでに成長軌道に乗せている。もうひとつはAI音楽レーベルの立ち上げで、AIシンガーをデビューさせる計画だ。佐田氏自身が休日深夜にプロンプトを試行錯誤し、作詞・楽曲プロデュースも手がけている。AI VTuberや、X(旧Twitter)の投稿をリアルタイムに反映するAIアイドル、AI×フィンテック領域の開発も並走する。


選定基準は明確だ。「AIを使ってDX」「AIを使った業務効率化・生産性向上」といった領域はやらない。「ワクワクしないから」と佐田氏は言い切る。代わりに狙うのは、AIがなかった時にはできなかったことを可能にする領域、かつ参入障壁を確保できる領域だ。


逆にやらないのは、Google・Anthropic・xAIなどのプラットフォーマー自身がやりそうな領域。「彼らがやり始めたら瞬殺される。研究開発費が兆円単位ですから、日本のスタートアップ1,000社まとまっても叶わない」と冷静に線引きする。


26歳で会社倒産、拉致監禁2回、7年間の借金返済


佐田氏の経営者人生は40年に及ぶ。学生起業から始まり、20代で立ち上げた会社は設立2年目で年商40億円ペースまで急成長した。


テレホンカード経由の電話コンテンツ事業で全国展開していたが、テレホンカード偽造事件により売上が半分に蒸発。リースや借入で拡張していたため一気に逆回転し、26歳で会社が事実上の倒産状態に陥る。当時の借金は10数億円、最終的には17億円まで膨らんだ。


そこから7年間、借金返済のためだけの人生を送る。バブル崩壊後は、債権者と直接交渉して債務を減免してもらう作業を続けた。「5億の債権を1,000万円に減額してくれたら今ここで払う、サインしないなら自己破産でゼロですよ」という交渉を繰り返し、現金を持ち歩いて回った。


借金が1億円を切ってからが、むしろ過酷だったという。返済が現実的に見える分、債権が転売され、いわゆる「やこしいお兄ちゃん」が出てきた。佐田氏は20代で2回、拉致監禁を経験している。物理的な暴力もあった。「20代でそんな経験をした経営者は、今ではもういないでしょう」と振り返る。


返済資金は、新たに会社を立ち上げて稼ぐことで作った。33歳まで、その繰り返しだった。


33歳で初就職──インターネットを学ぶための転身


借金返済に追われる中、佐田氏はインターネットの登場を目撃する。「これでもう一度再起する」と決意したものの、独学では限界があった。


そこで33歳のとき、それまでやっていたことをすべてやめ、インターネット技術のベンチャー企業に平社員として就職する。これが人生唯一の就職経験だ。


3ヶ月後には、日立などのCPUベンダーにOSを売り込む立場になっていた。その後、世界初のモバイルインターネットサービス「iモード」の裏側システム開発でプロジェクトリーダーを務め、ITテック業界の中核へと入っていく。


以後、iモードのコンテンツ会社サイバードを設立し、設立から18ヶ月で上場(日本最短記録)を達成。「自分が書いた仕様書を自分でもらう立場でサービスをやったから一気に行きました」と佐田氏は語る。


「AIで世の中を変える側」になる


佐田氏は今のAIの波を、2000年前後のインターネット黎明期と重ねる。「25年ぶりか30年ぶりに世の中が変わる感覚が来ている。それをやらずに何をやるんだと思う」。


佐田氏のスタイルは「自分でやってみる」。AI音楽の楽曲制作、映像生成、バイブコーディングまで自ら手を動かしてきた。その中で「AI音楽はメロディ生成において人間が勝てないレベルまで来ているが、映像はまだそこまで行っていない」といった発見を得て、事業判断に活かしている。


3年先のAIの姿をイメージし、そこから逆算して今やっておくべきことを動かしている。


経営の本質は「夢中」と「バランス」


半年で社員を3分の1減らし、外部協力会社との比率も柔軟に調整している。技術やノウハウは会社ではなく人に宿るため、競合優位性を確立するには一定数の正社員に技術が宿る仕掛けが必要だ。一方で正社員を増やしすぎると、過剰な硬直性につながる。「どちらも重要で、どちらかに偏ってもいけない」。


初期に身につけておけばよかった知識を問われると、佐田氏はファイナンスを挙げつつも、「社長が必ずしも全てを持っている必要はなく、わかっているCFOを見つけて組むことが重要」と答える。


40年経営をしてきた佐田氏が大切にしている言葉がある。


「努力は夢中に勝てない」


「努力しているのではなく夢中になっているだけ。夢中でやっているときが一番楽しいし、そのときに人も会社も一番成長する」と語る姿には、20代の倒産、拉致監禁、7年間の借金返済を経た重みと、AI時代の新規事業に挑む現役経営者の高揚感が同居していた。


※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです

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目次

  1. 1.4年連続赤字、株主総会で社長否決──創業者再登板の舞台裏
  2. 2.MSワラントを断り、長期保有してくれる投資家を探す旅
  3. 3.ドバイの王族との出会い──「キャプテン翼」が開いた扉
  4. 4.ビットコイン6:金4の「逆相関リバランス戦略」
  5. 5.中東の富裕層に響いた「両輪戦略」
  6. 6.第三者割当増資・ワラント・有償ストックオプションの組み合わせ
  7. 7.ゲームから「AI×エンタメ」「AI×フィンテック」へ
  8. 8.26歳で会社倒産、拉致監禁2回、7年間の借金返済
  9. 9.33歳で初就職──インターネットを学ぶための転身
  10. 10.「AIで世の中を変える側」になる
  11. 11.経営の本質は「夢中」と「バランス」
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