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総合>ビジネス動画>【ダイニー山田氏】80億調達でも全然足りない?1回目の起業で産業を変える戦略と資本政策の本質

【ダイニー山田氏】80億調達でも全然足りない?1回目の起業で産業を変える戦略と資本政策の本質

2025/2/13
M&A CAMPチャンネル
M&A CAMPチャンネル運営局

飲食業界向けプロダクトを展開するダイニーは、創業7年で年商20億円超まで急成長。代表の山田氏が、学生起業から大型資金調達に至る道のり、グローバル投資家から評価される経営姿勢、日本のスタートアップエコシステムの構造的課題まで本音で語る。

学生時代に40カ国を巡った経験が原点


ダイニー代表の山田泰裕氏は静岡県出身。大学進学とともに上京したものの、2年生の時点で休学を決意し、親から300万円を借りて1年半にわたり世界40カ国を一人で旅して回った。


旅には2つのルールを課していたという。1つは「期間中、日本語を一切話さない」こと。もう1つは「現地のドミトリーやユースホステルで出会った外国人と必ず時間を共有する」ことだ。観光地を巡ったり、食事を共にしたりしながら、滞在先で友人を作っていった。


南米では物価の安さに驚かされた。日本では1個100円台後半するアボカドが、メキシコやグアテマラなど中南米では30〜40円。日本で1房2,000円ほどするパイナップルも、現地では10分の1以下の値段で手に入った。自炊中心の質素な暮らしを続けながら、見たいものを見て、行きたい場所に行く日々を過ごした。


「就職してしまうと1年半もの長期休暇は取れない。大学生という身分と国際学生証のような仕組みを最大限活用しようと考えていた」と山田氏は振り返る。


政治家志望から起業家へ


帰国後、世界での経験を踏まえて「政治家として日本を良くしたい」と考えた山田氏は、衆議院議員の秘書インターンを始めた。しかし現実は厳しかった。


法律制定や規制緩和といった意思決定プロセスに本当に関われるのは、父や祖父が大臣を務めたような世襲の家系の議員だけ。インターン先の議員は40代前半で3回連続当選を果たした有望株でありながら、世襲ではないために「大先生たちのお小遣いのような扱い」を受けていたという。


「自分が政治家になっても、立法を通じて日本を良くするという仕事はいつできるのか分からない」――こう感じた山田氏は方向転換を決意する。


上から法律で変えるのではなく、民間から文化やプロダクトで世界を変える。中学時代からプログラミングやホームページ制作に親しんでいた背景もあり、IT業界でのインターンを経て起業の道を選んだ。DeNAで2年、メルカリでも経験を積み、「やりたいことも入りたい企業もないなら自分で起業しよう」という、本人いわく“消極的な”動機で2018年にダイニーを創業した。


政治アプリから飲食業界へのピボット


創業当初のプロダクトは、現在のWeb3に近い思想の政治コミュニティアプリだった。ユーザーが政策を提言したり議論に貢献したりするとトークンが付与される仕組みだ。


しかしインターネットサービスを利用する若年層は政治への関心が薄く、サービスはほとんど使われなかった。そんな中、共同創業者が学生時代に飲食店でアルバイトをしていた経験から、業界の課題感を強く認識していた。「飲食業界の大きな課題を解こう」という方向に舵を切ったのが、現在のダイニーの始まりである。


山田氏自身も、大学外のコミュニティを通じて飲食業界の人々と深く関わっていた。お酒の飲み方、休日の過ごし方、就職活動への向き合い方まで、人生の多くを飲食店の先輩たちから学んだという。終電を逃しても業務をこなす姿、レジ締めで現金が合わずやむなく自分のポケットマネーを足す光景――そうした現場の課題が身近に感じられたことが、事業推進の原動力になった。


創業初期は手金で運営し、アルバイト収入を全て事業に注ぎ込む日々が続いた。コロナ禍直前まで飲食業界はテクノロジーへの関心が薄く、最初の2〜3年の売上は1,000万円程度で平行線だった。


コロナ禍を経て訪れた急成長


転機となったのはコロナ禍だ。テクノロジーが飲食業界に浸透し始めた時流に乗り、ダイニーは急速に成長。直近では年商20億円を超え、2倍・3倍成長を語れる段階に入った。


2022年は事業観の転換点でもあった。クライアントの売上が2019年比で110%まで回復し、「コロナ前より状況が良い」と確認できたタイミングで、山田氏は経営目線を一段引き上げた。同年からボードミーティングを全て英語で実施し、グローバル人材の採用にも踏み切った。


「事業が伸びないと経営者は成長しない。会社や業界が成長することで、創業者としての視座も磨かれていく」と山田氏は語る。2018〜2021年の苦しい時期は自身の成長実感も乏しかったが、業界の回復と共に経営者としての地力もついていったという。


グローバル投資家とのバリュエーションの差


直近のシリーズBラウンドでは約74億円を調達。海外投資家を中心に資金を集めた背景には、日本と海外のスタートアップエコシステムの構造的な差がある。


日本のVCには、ホームランを実際に打たせた経験がある投資家が極端に少ない。一方でグローバル投資家は「自分の手でLinkedInを育てた」「Slackをリードした」「Airbnbに投資した」といった経験値を持つ。1兆円規模の企業を複数育てた実績があるからこそ、グローバル水準のバリュエーションを付けられるのだ。


山田氏が同じKPI、同じデータを日本の投資家とグローバル投資家の双方に共有したところ、提示されたタームシートのバリュエーションは3倍の差があったという。


「日本の典型的なIPOの初値が80億円程度だから、利益を出すためにはバリュエーションを下げざるを得ない、という構造になっている。一方でグローバル投資家は『1兆円は当たり前』という感覚で値付けする」


産業を変えるには1,000億円規模の資金が必要


産業を変えるスタートアップには、1,000億円規模の資金が必要だと山田氏は指摘する。


アメリカで類似サービスを展開するToastは、未上場時に約1,500億円、上場時にも同規模を調達し、累計で約3,000億円を投じてアメリカの飲食業界変革に挑んでいる。日本のGDPがアメリカの約3分の1だとしても、最低でも1,000億円規模は必要になる計算だ。


「74億円は必要額の7%にすぎない。当初のバリュエーションが80億円程度では、産業は絶対に変わらない。10倍集めなければならないのに、集められる金額が10分の1になってしまう」


この構造を変えるには、有力な日本銘柄がグローバル投資家から評価され、資金を集めまくる状態を作る必要があるという。


上場後に「サラリーマン化」する経営者の問題提起


山田氏は、時価総額100億〜数百億円規模で上場した経営者の一部が直面している課題にも踏み込む。


株価が上がりにくく、個人投資家からの厳しい声に晒されながら、共同創業者は早々に去り、創業CEOがひとり踏ん張る――そんな構図が散見される。「あなたほど優秀な人なら誰かに承継して2周目をやった方が国益になる」と進言しても、本人にはその意欲がないケースが多いという。


背景にあるのは、上場時に保有する30〜40億円分の株式を担保に10億円ほどを借り、年利5%で運用するという資産形成パターンだ。役員報酬2,000万円と運用益5,000万円を合わせ、年間7,000万円の暮らしに到達してしまう。


「会社を傾かせない程度に成長させ、CEOの座を長く保ち、運用ゲームを続ける――そんなモチベーションに変質してしまう。起業家からサラリーマンになる感覚です」


本人が悪いわけではなく、構造がそうさせている。だからこそ、100〜200億円程度で上場せずに、未上場のまま5,000億円のバリュエーションで500億円を調達するような実績を、エコシステムとして積み上げていく必要があるという。


グローバル人材採用の現状


ダイニーの社員数は約160名。月10数名のペースでジョインが続き、国籍は10カ国を超える。日本語を話さない社員も在籍する。引っ越し費用を会社が負担し、海外候補者の面接時には航空券を手配して来日してもらい、2日間オフィスで職場体験をしてもらうケースもある。


グローバル人材の中には日本で働きたいというニーズが意外に多いと山田氏は語る。日本のサブカルチャーや食文化への憧れに加え、円安と物価の相対的な安さ、治安の良さが魅力になっているという。


一方で、減点主義や空気を読む文化など日本独特のワーキングカルチャーが障壁となり、二の足を踏む候補者も多い。受け入れ体制を整えるだけで、極めて優秀な人材が集まる「超チャンス」の状況だと位置付ける。


採用の中心はエグゼクティブ層とプロダクト人材。月間10億人規模のユーザーに使われるプロダクトを、複雑性と高い投資強度の中で作り上げてきたグローバル人材は、経験値の面で日本人を大きく上回るからだ。「日本国内で戦う上でも、未来を経験した人をどれだけ引っ張ってこられるかが採用の勝ち筋になる」と山田氏は強調する。


メンタルは「技術」、失敗は「学び」


山田氏は「メンタルが強い・弱いという概念は存在しない。メンタルは技術だ」と語る。起こった出来事をポジティブに捉えるかネガティブに捉えるかは、訓練で身につけられるスキルだという。


旅行先で雨に降られた時、室内アクティビティを楽しむ視点に切り替えられるかどうか――この発想の転換は、学生時代に飲食業界の先輩たちから学び取ったストリートスマートな知恵に近い。


「失敗を失敗と捉えていない。何らか学びになるし、選択肢が広がる場合もある。リスクをリスクと感じない感覚は、この捉え方から来ているのかもしれない」


サービスダウンで飲食店に大きな迷惑をかけたインシデントですら、結果的にこれまで会えなかった経営者と直接対話する機会となり、カスタマーサクセスやクロスセルのきっかけに変わったという。


起業家人生の「教科書的な勝ち筋」


若いうちから起業すべきか、経験を積んでからが良いか――山田氏の見解は明快だ。


世界中のユニコーン創業者の最多年齢層は40代である一方、若いほど学習力は高く、応援もされやすい。ならば、1周目の起業は仕上がりの低さを許容してでも若いうちにバットを振り、2周目・3周目を40代で本気のホームラン狙いに当てる――これが教科書的な勝ち筋だと整理する。


市場選びの重要性も説く。市場の大きさ、成長率、競合の少なさ。これら市場側の変数は、起業家やプロダクトの実力の100倍ほど大事だと言い切る。「経営者の実力よりも、正しい市場に正しい角度で入り込めているかどうかが、ホームランの条件として決定的に重要」


長期20年成長を見据えた経営観


山田氏が尊敬する日本企業としてGMOの名前を挙げる。年20〜25%成長を20年以上続けるその姿勢は、短期の急成長だけが評価されがちなスタートアップ業界において稀有な存在だ。


ダイニーも短期の急成長を意識しつつ、20年以上にわたって成長を維持できる会社作りを頭の片隅に置いている。


「リスクを取って、頭おかしいことをしていないと、人生楽しくない。アドレナリン中毒なんです」と笑う山田氏。日本の国土で暮らす人々の生活を豊かにすること――それが現時点での最上段の欲求であり、外食産業を通じてその目標に挑み続ける。


起業を志す人へのメッセージ


最後に若手経営者へのアドバイスを尋ねると、山田氏は意外な言葉を返した。「先輩経営者やVCのアドバイスは、基本的に全部無視して構わない」――。


自ら失敗し、失敗から学びを抽出し、プラスの方向に転換する力こそが、創業期に最も身につくスキルだという。他者の助言は参考程度にとどめ、最終的な意思決定は自らの手で正解に寄せていく。それこそが起業家として成長する唯一の道だと、山田氏は語った。


※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです

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目次

  1. 1.学生時代に40カ国を巡った経験が原点
  2. 2.政治家志望から起業家へ
  3. 3.政治アプリから飲食業界へのピボット
  4. 4.コロナ禍を経て訪れた急成長
  5. 5.グローバル投資家とのバリュエーションの差
  6. 6.産業を変えるには1,000億円規模の資金が必要
  7. 7.上場後に「サラリーマン化」する経営者の問題提起
  8. 8.グローバル人材採用の現状
  9. 9.メンタルは「技術」、失敗は「学び」
  10. 10.起業家人生の「教科書的な勝ち筋」
  11. 11.長期20年成長を見据えた経営観
  12. 12.起業を志す人へのメッセージ
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