DMM.com会長・亀山敬司氏が語る「成功する努力」と「失敗する努力」の決定的な違い。運が7〜8割を占めると認めた上で、残り3割をどう使うか。作業ではなく仕事として考え抜くことの重要性を聞いた。
成功において努力はどれくらい大事なのか。最近、YouTubeで「努力は報われない」という主旨の動画を目にした。どのマーケットで、どのタイミングで生まれ、誰と繋がったか――そうした運の要素のほうが大きいという主張だった。
この問いに対し、DMM.com会長の亀山敬司氏はこう答える。
「運が7〜8割というのは、その通りだと思うよ。でも、どのみちこれって自分でどうしようもないものじゃない。お守り買ったからどうにかなるものでもない。だったらこれは置いといて、残り3割をどうするかって話しかないと思う」
運の比重が大きいことは認める。だが、コントロールできない部分に悩んでも仕方がない。やれることに集中するという考え方だ。
一方で亀山氏は、「どこにいるか」「いつそこにいたか」は運とは別に、ある程度コントロールできる領域だと指摘する。
「本屋さんにいるかITの場所にいるかで違うよね。たまたまそのアルバイト先がITだったら、チャンスが多かったかもしれない。今後伸びる業界、たとえばAIやロボットが伸びますよと言うなら、そこに行くことはできるじゃない、業界的に」
副業についても同じだ。時給の高い居酒屋や工場を選ぶのは目先のお金の話。だが、給料が半分でも自分が興味ある業界、エンターテイメント業界などでアルバイトすれば、そこから運が広がる可能性がある。
「場所を選ぶというのは、自分の選択でいける。そこからもしかしたら運が多めにあるかもしれない」
企業家のインタビューでは「めちゃくちゃ努力した」という話が多い。しかし、倒産した会社の社長や中小企業の社長も、働く時間や熱意で言えば、むしろ失敗した人のほうが努力している場合すらある。
この違いは何か。亀山氏は「努力の方向性」だと答える。
「努力が0でめちゃくちゃ運がよくても、掛け算だから0になる。少なくとも努力が1か2はいる。倒産しちゃった人は、将来性とか考えないで、今いる場所で頑張ろうという感じ。ひたすら頑張るだけじゃなく、考えながら頑張るってところになるかな」
ここで重要なのが、亀山氏の言う「努力」と一般に言われる「努力」のズレだ。世間一般の努力は、目の前の仕事や与えられたことをどれだけ頑張ってやるか。亀山氏の努力は、世の中全体の方向性を見て、その努力がどこに繋がるかまで含めて考える努力である。
「考えることにエネルギーを割かないと、結局成果に繋がらない。ヘトヘトになって帰ったら寝るだけという生活は、自分が作業ばかりやる仕事になってるってこと」
亀山氏は若い頃、麻雀店で働いていた。麻雀牌を磨く作業も、ただこなせば「作業」で終わる。だが彼は違った。
「パイ磨くだけじゃ作業じゃない。これをいかに早く短時間で終わらすかを一生懸命考えた。1時間かかったのを30分でやるにはどうしたらいいか考えながら磨いてたから、麻雀パイ磨かしたら俺、めっちゃ早いよ」
ニューヨークで日本料理店で働いた時も、給料はいらないから飯を食わせてくれと頼んで働いた。仕事をしたかったからだ。作業をしたかったわけではない。
「世の中で『作業』と言われることの多くは、仕事にできる。職人が、どうやったらこれ綺麗に見えるかなと考えながらやるか。常に自分の頭で考えるかどうか」
亀山氏は、若い人にはなるべくお金を任せたほうがいいという。
「うまくやらなかったら全部自分に返ってくるじゃない。だから嫌でも考える。勤めてると、仕事をうまくやろうじゃなく、どうやって上司に気に入られるか、どうやって時給上げようかになる」
自分に直接返ってくる金は、放っておいても考え出す。強制的に頭が動く。売上が立たないと困るから、どうやったらこれ良くなるのか、どうやったら早く仕事が終わるのかを考える。会社員だと「言われたことをやれば給料が上がるんだから、やっとこう」となりがちだ。
亀山氏自身、会計事務所でコピー取りをやらされていた時期がある。だが、それは作業でしかなかった。
「こんなことしてたら俺の時間がどんどん消費されていくと思って、自分で商売をやろうとなった。露店のほうがいいと思って」
警察に注意され、怒られながら露店をやっていた時間のほうが、会計事務所の時間より充実していた。頭を使っていたからだ。
「世間の指標で考えるべきじゃないなと思う。起業家が考えるべきことは、どうやったら経営的にうまくいくか。それを考えながら営業に行くこと」
亀山氏は自身を「努力家」だとは思っていない。むしろ「知恵を使って楽して稼ごうとしてる」と笑う。考えることが好きだから、苦ではない。それは努力ではなく自然体だった。
運が7〜8割を占めるとしても、残り3割の使い方で結果は変わる。重要なのは、ひたすら頑張ることではなく、どこで・何を・どう考えながら頑張るか。作業を仕事に変える発想が、作業員で終わるか経営者になるかを分ける。
「考えない努力」に価値はない――これがDMM亀山会長の結論である。
※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです


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