28歳のしゅうへい氏と31歳で2拠点生活を送る経営者・成田氏が、DMM亀山会長に「30代の生き方」を相談。仕事・家庭・友人の優先順位、結婚と経営の関係、子どもとの時間の重み——人生の分岐点となる30代をどう過ごすべきか、率直な対話から見えてきた答えとは。
「もうちょっとで30歳。若いとかじゃないなと感じ始めた」──。28歳になったばかりのしゅうへい氏は、自身が直面する焦燥感をこう語った。経営者としてもクリエイターとしても伸ばしたい。だが、この10年で目が出なければ厳しいのではないか、という気持ちが拭えない。
そんな相談相手として迎えたのが、31歳で経営を行いながら福岡と東京の2拠点生活を送る成田氏と、DMMの亀山会長。30代をどう設計するかをテーマに、率直な対話が交わされた。
成田氏は社員10人規模の会社を経営しつつ、昨年結婚。妻と子ども2人(0歳と3歳)は福岡におり、月に2回ほど帰福する単身赴任に近い生活を送っているという。月のうち家族と過ごせるのは6〜8日ほど。
「夫婦関係は2拠点生活してからの方が良くなった」と成田氏は語る。物理的な距離があり役割が分担されることで、お互いの関係性は良好になったという。一方で、子どもとの時間は確実に減っている。
この点について、亀山会長の指摘は明快だった。
「親としては、金だけ送ってりゃいいって話じゃない。時間をいかに多く過ごすかってのは結構大事だ」
同じ東京にいるなら良いが、帰ろうにも帰れない距離だからこそ、なるべく一緒にいる時間を増やした方がいいというアドバイスだ。0歳と3歳という「一番可愛い時期」は二度と戻らない。
成田氏の会社は売上規模に対して利益2000万円ほどを出している段階。九州で暮らすには十分な水準だが、本人にはまだ伸ばしたいという思いがある。
ここでも亀山会長の言葉は冷静だった。
「吹けば飛ぶような状態の時の2000万なんか、すぐ吹っ飛んじゃう。来月200万になるかもしれない」
だからこそ、今は仕事をきちんとして、子どもが塾や学校に通えるよう備えておく段階だという。今が伸びていても、それがピークかもしれないという視点を持つこと。趣味や遊びに走るのは、その先の話だ。
仕事もクリエイティブも家庭も、すべて大事。その中で何を優先すべきか迷うしゅうへい氏に対し、亀山会長は核心を突いた。
「俺がちょこちょこっと5分か10分話したくらいで答えが出るなら、大して思いがあるわけじゃないってことだよ。ちゃんと向き合えば、別に俺と話さなくても自分で答えは出ているはずだ」
そして、考える単位として提示されたのが「5年先」というスパンだ。30代をどう生きるか、と大きく構えるのではなく、その時その時で5年先を想像し、後悔しない選択を積み重ねていく。
亀山会長自身も31歳で結婚している。当時の時間配分は「仕事6割、家庭3割、プライベート1割」。土日や夜は家にいるバランスを取りながら、子どもや妻との時間を確保していた。
対する成田氏は「気持ちの上では仕事6・家庭4」だが、実質の時間で見れば「8対2」というのが正直なところだ。
「気持ちは気持ちだから」──亀山会長のこの一言には、現実の時間配分と理想の乖離を見抜く鋭さがあった。
話題は「30代で結婚すべきか」にも及んだ。亀山会長の答えは、無理してやるものではないが、という前置きの上で示唆に富む。
「30代はストレートに見ると、結婚しない方が楽しめる時期ではある。稼げるようになって、お金も使えて、楽しいことがいっぱいできる。だけど、そこに飽きるのも飽きる」
友達と社員と家族の違いについても、独自の整理があった。社員は「同じ船に乗っている運命共同体」、友達は「別の船に乗っているからこそ干渉せず長く好きでいられる」存在。だから両方あった方がいい、と。
「30代は友達だけでオッケーになりがち。でも、友達は守る存在でも守られる存在でもない」
ビジネスマンとしての観点で、結婚は経営にプラスかマイナスか。亀山会長の見解はこうだ。
短期的・20代から30代前半の段階では、結婚していない方が時間も使えて伸ばしやすい。だが、自分でやっていく段階、リーダー的になっていく段階では、家庭を持っていることがプラスになる。
「思い通りいかないことを理解する。経営者って、やっぱり大人じゃないといけない気がするんだよ」
家族を持つことで器は広がる。一方で、働ける時間は確実に減る。短期で見れば売上は小さくなるかもしれないが、開いた余白の分だけ、人としては豊かになる可能性がある──というのが亀山会長の見立てだ。
対話の終盤、しゅうへい氏はこう振り返った。
「すごく長い目で見た時に、仕事はどこかで落ち着くこともある。年を経ていく中で、最後は孫とか家族との時間が一番いい思い出になり、一番大切な時間になるのかなと思う」
人生はトレードオフ。差し出さなければ得られないものがある。30代という分岐点で、何を選び、何を手放すか。亀山会長から贈られたのは、答えそのものではなく、「ちゃんと向き合えば自分で答えは出る」という、至ってシンプルだが本質的な姿勢だった。
※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです
