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総合>ビジネス動画>宇野康秀が語る経営哲学|本を読むのをやめた理由と情報収集の極意

宇野康秀が語る経営哲学|本を読むのをやめた理由と情報収集の極意

2026/4/20
M&A CAMPチャンネル
M&A CAMPチャンネル運営局

USEN-NEXT HOLDINGS代表・宇野康秀氏が、若手経営者との公開対談で語った経営の極意。組織30人の壁、10年サイクルで変わる経営スタイル、本を読むのをやめた情報収集術、そして仲間が長く残る組織の共通点とは。

公開収録で語られた、宇野康秀の経営哲学


USEN-NEXT HOLDINGS CEOの宇野康秀氏を迎えた今回のM&A CAMP公開収録。聞き手には株式会社空船の上氏、コムドットの山氏という若手経営者・クリエイターが登壇し、M&A CAMPサロンメンバーも交えて、経営判断・組織づくり・情報収集・人生観に至るまで踏み込んだ対話が繰り広げられた。


本記事では、その対談から特に印象的だったテーマを再構成してお届けする。


「30人の壁」を越えるために――社員を増やすこと自体を目的にした


若手経営者から「先輩のアドバイスをどう取捨選択しているか」と問われた宇野氏は、自身が組織30人規模のときに受けた一言を振り返る。


営業先の社長から突然「君んとこ社員何人だ」と問われ「30人です」と答えると、「人間が把握できるのは30人が限界。それを本気で超える組織作りをしないと会社は大きくならない」と告げられたという。


ちょうど踊り場感を抱えていた宇野氏には、その言葉が深く刺さった。


> 「会社に戻るなり、とにかく社員を増やそうと。事業を伸ばすために社員を増やすのではなく、社員を増やすこと自体が目的の組織を作ろうと考えました」


さらに当時、リクルートの幹部から「リクルートも30人の頃に日経新聞の15段広告で社員募集をかけた」という話を聞き、自社でも同じく15段広告を打った。「100人を食べさせるためにどうするか」を真剣に考え始めた瞬間、計画的に事業を進めるスイッチが入ったという。


経営者として10年ごとに変わる「関わり方」


25歳でインテリジェンスを起業した宇野氏は、創業メンバーと「10年経ったら卒業しよう」と話していた。会社にしがみつく権力闘争の構図を作りたくなかったからだ。


その後、35歳で父が創業したUSENの再建に入り、47歳で再びベンチャーとしてU-NEXTを立ち上げる。


- 25歳〜:自分の組織文化をゼロから作るスタートアップ経営

- 35歳〜:1万人規模の老舗組織を率いるトップダウン型の戦略経営

- 47歳〜:実績と人脈という財産を活かした再起業


> 「10年単位で経営との関わり方の形が変わっていく。たまたま自分は10年サイクルでしたが、5年や8年の人もいる。一定のリズムでステージが変わっていくものだと思います」


2社目はマイナス800億からのスタートだったが、1社目で得た成功体験が「絶対できる」という自信となり、1万人の古参組織を動かす原動力になったと語る。


「成功本」を読むのをやめた――情報収集のスタイルが変わった瞬間


意外だったのは、宇野氏が情報収集について語ったくだりだ。高校生から20代まで本ばかり読んでいたが、ある時から本もネットニュースもほとんど見なくなったという。


> 「本当に大事な情報は、勝手に自分の目に入ってくるんじゃないか――そう感じるようになったんです。ただ勉強して情報を知っていても、知識として持っているだけでは意味がない」


アンテナを無意識に張っておけば、必要な情報は厳選されて入ってくる。むしろ技術の最前線にいる経営者ほど、生活感覚やマーケティング感覚を失っていることもある。


自分は発明家タイプではないからこそ、生活者としての感性を大事にし、そこに新しい情報を結びつけることを得意領域にしている――というのが宇野氏のスタンスだ。


上場企業のトップが「本気でトライアスロン」をやる理由


44歳から始めたトライアスロンで世界選手権の日本代表に選ばれた宇野氏。きっかけはリーマンショックだった。「世の中が厳しくなっていく時に、経営者として体力がないのは一番まずい」と感じたという。


ただし、上場企業のトップが趣味に時間を割くことには社内外からの目もある。だからこそ宇野氏は、わざと最も難易度の高いロング(アイアンマンレース)に挑戦した。北海道のアイアンマンレースでは経営者だけが競う「CEOチャレンジ」で優勝。


> 「中途半端に遊びで熱中していると見られたくなかった。真面目に挑戦しているんだと伝えたかったんです」


会社としてやることと、自分が好きだからやることを完全に分ける。創業オーナーであっても、会社と個人を一体化させない――この線引きが、上場企業経営者としての矜持につながっている。


幹部人材が長く残る組織の共通点


M&A CAMPサロンメンバーで関西の医療法人を経営する松尾氏から「右腕として残る人材と、優秀でもうまくいかない人の共通点」を問われた宇野氏は、こう答えた。


基本は価値観・目標・目的の共有である。あるプロジェクトのトップを任せたとき、もしそのプロジェクトが1ヶ月で中断したらどうなるか。会社全体のビジョンや人間性に共感している人なら「他のことをやってほしい」と頼めば「分かりました」と応じてくれる。


逆に、プロジェクトという仕事だけで繋がっていた人は離れていく。理念の共有度こそが、長く一緒に働けるかを決める。


> 「方向性が合わないと、いちいち修正しなければいけない。資金投下のスピード感ひとつとっても噛み合わなくなる。すり合わせができていないと、どんなに優秀でも続かないんです」


M&A戦略とAI時代への向き合い方


IT バブル期、楽天の三木谷氏と月1回会食しながら互いの経営課題を共有していた宇野氏。当時はM&A競争に焦りを感じていたが、過去にM&Aを積極的に繰り返した時代には「うまく馴染めなかった」経験もあるという。


AI時代についてはこう語る。


> 「インターネットが広がる時は『置き換わっていく』感覚が明確にあった。でもAIで人間の仕事が置き換わると言われても、リアリティはまだ薄い。どこかで揺り戻しが起こるんじゃないか」


AIが仕事の8割を担う世界観を本当に共有できているか――宇野氏は冷静に問う。一方で「決定的に面白いことができそうな予感」にはワクワクしていると付け加えた。


「人間万事塞翁が馬」――過去ではなく未来を見る


対談の最後、宇野氏は色紙によく書く座右の銘を紹介した。「人間万事塞翁が馬」。


> 「失敗したと思ったことも、何年か後には『あれがあったから今がある』と思えることが本当に多い。過去を悔やむのではなく、現在から未来をどう進むかだけを考える。若い人にも、いつかそれも良かったと思える日が来ると信じて行動してほしい」


10年単位で経営スタイルを変え続け、経営者・映画プロデューサー・トライアスリートと多面的な人生を歩んできた宇野氏の言葉は、ステージの異なる若手経営者たちにも深く響くものだった。


※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです

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目次

  1. 1.公開収録で語られた、宇野康秀の経営哲学
  2. 2.「30人の壁」を越えるために――社員を増やすこと自体を目的にした
  3. 3.経営者として10年ごとに変わる「関わり方」
  4. 4.「成功本」を読むのをやめた――情報収集のスタイルが変わった瞬間
  5. 5.上場企業のトップが「本気でトライアスロン」をやる理由
  6. 6.幹部人材が長く残る組織の共通点
  7. 7.M&A戦略とAI時代への向き合い方
  8. 8.「人間万事塞翁が馬」――過去ではなく未来を見る
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