就活生・若手社会人向けメディアを運営する株式会社ダイヤリー代表の志水氏。26歳起業家のオフィスでの意思決定、社員との対話、DMM亀山会長との再会、月末締め会議、そして経営合宿まで、1週間のリアルに密着した記録から見える経営哲学とは。
4月25日、東京・青山にある小さな会社「株式会社ダイヤリー」。始業まで3時間ありますが、代表の志水さんはすでにオフィスにいました。
大学生の頃YouTuberになりたかった志水さんは、自分の日常を日記のように記録するダイアリーを作り、就活に必要なノウハウや学生のリアルを発信するチャンネルへと成長させました。2019年には株式会社ダイヤリーとして法人化。今では就活生・若手社会人・若手起業家向けの3つのメディアを運用する会社の代表を務めています。
ダイヤリーの1日は朝9時半からの朝礼とオフィス掃除からスタート。午前中は在宅勤務のメンバーが多く、オフィスは少し静かです。
バックオフィスを担当する坂口さんが出社し、新たに始める予定のエージェント事業の振込関連業務を、メインバンクの変更と合わせて整える話し合いが行われました。
「メインバンクをキラ星銀行とSBIに変更しようと思っている」と志水さん。銀行の優先順位を見直し、業務システムを構築していく姿勢が見えます。
エージェント事業の責任者である西尾さんは、組織文化づくりや業務システムの構築を率先して担当。「ダイヤリーをいい会社にしたい」という思いは誰にも負けません。
進捗会議の後、西尾さんから一つの提案がありました。
「めっちゃフラットに考えたんですけど、軸がないなというのが今のところで。MA CAMP立ち上げ、エージェント立ち上げ、それぞれが頑張っているけど、分散をもう少し集中できないかな」
これに対し志水さんはこう答えます。
「本当の0→1のフェーズだったら絶対集中させた方がいい。でも今のリソース分散は、めちゃくちゃお金がかかるモデルではなくて、事業責任者が成長して、それぞれの主要部分で成長したら成立する。事例も結構あると思っているから、どこかを撤退して集中とかはあまり考えていない」
さらに志水さんはこう続けます。
「中長期で見た時に本当にそれが正しいんだっけ。短期的に問題は解決するかもしれないけど、一生プレイヤーで経営メンバーがあり続けるとか、絶対成長しないと思っている。最終的に僕がなんとかするみたいな、ワンマン組織になりそうだなと。そういう会社をめっちゃいっぱい見てきたから、自分がいない前提で考えた方がいい」
自分ができないものは信用できる人に託す。代表が専門で意思決定する。これが志水さんの経営哲学です。
今年1月に入社した新入社員の時永さん。大学時代に映画を作った経験もあるほど動画が好きで、ダイヤリーに入社しました。
タイアップ動画の制作について、時永さんはこう語ります。
「普段よりめっちゃ体力を使うけど、ダイヤリーとしてやるべきだしやりがいがある。ダイヤリーが掲げている『機会と情報の格差をなくす』、自分軸でちゃんと企業を選んで幸せに働ける人を増やすというところで言うと、福利厚生や年収といった外側の情報だけではない、本当に魅力的な企業がいっぱいある。学生にはちゃんと自分が入った後に長く楽しく働けるかを見てほしい。そういうまだ魅力が伝わりきっていない企業の魅力を動画で伝えるのは、めっちゃやる意味のあることだしやりがいがある」
時永さんは今ではダイヤリーチャンネルの責任者として日々成長しています。
夕方、新入社員の佐々木さんとリナさんの歓迎会が開かれました。実行委員長を務めた藤本さんが乾杯の音頭を取ります。
「4月から2人入社いただいて、来月再来月あたりからインターン生とかも増える可能性がある。馴染みきれていない部分があったら、この歓迎会で馴染めるように。世代関係なく1つの目標を持って頑張りたい」
志水さんはこの言葉を受け、社員一人ひとりが自己実現できるようサポートする姿勢を改めて確認していました。
翌日。志水さんは午前中から、立ち上げ予定のM&A仲介事業の打ち合わせに臨みます。そして16時からは、DMM会長・亀山さんとのインタビュー動画撮影へ。
志水さんが亀山さんと初めて会ったのは5年前、起業前にアポなしで訪問した時のこと。今回は5年ぶりの再会となりました。
撮影後の感想です。
「5年前に来た感覚とはまた違いました。昔は『東京すごいな』という感じで、権威に押された感があったんですけど、今日は遊びに来たというか、楽しかった。でもまだまだ亀山さんは、やっぱり普通にすごいなと改めて思いました」
週末、志水さんは社員の中山さんと食事へ。社員と大事な話をする時、必ずご飯を食べに行くのが志水さんのスタイルです。
「東京に行きたいと思ったのは、高校生の時にYouTuber、テトラハウスとかヒカルとかの動画を見ていて、彼らがアトムとか渋谷のクラブに行っていて。オフ会を渋谷の街でやっていて、『そんな簡単に歩いていたら会えるんだ』って思って、めっちゃいいじゃんとなった」
志水さんは「タイミング・イズ・マネー」と語ります。
「タイミングが大事な気がする。どれだけ頑張るかも大事だけど、先行者利益というか。長く生き残るには結局、実力というか頑張らなきゃいけないんだけど、瞬間的な力をバーンと出すだけだったらタイミング」
4月30日、月末の締め会議。各事業部が1か月の成果を社員の前で発表します。
ダイヤリーチャンネルでは、20本投稿の目標に対しギリギリ達成。「行動目標の20本を出し切ることに必死になってしまい、1本1本のクリエイティブとしての世界観にこだわりきれなかったのが反省点」と振り返ります。
総再生回数は1月5000回、2月5万回、3月10万回、4月21万回、5月30万回と着実に伸びていました。
志水さんは5月の目標を「格を上げる」と設定。「テーマは『感謝される』。出てくれる就活生や見てくれる人に感謝して、それがコンテンツに現れれば、就活生からも感謝されてチャンネルの格が上がっていく」と語りました。
4月は資金調達・借入れがおおむね完了。5月、6月、7月は採用と企業ブランディングに注力していく方針です。
「みんなの会社としてできるような形と、僕らの広い意味で『情報と機会の格差をなくしてより良い意思決定を支援する』というテーマにちゃんと紐づく、全員経営者組織を作りたい。ミッションドリブンな運営体制にしようと思っている。KPIも数字も大事だけど、何のためにやるかを忘れずにやっていこうと思っている」
そして週末、志水さんは初めての経営合宿で江の島へ。
「普段考えていない、より長期のための意思決定をするために来た。情報と機会の格差をなくしてより良い意思決定を支援するというところに、ちゃんと向き合いたい。ビジョンとやっていることがちゃんと紐づいている状態を作りたい。すごい会社というか、ちゃんと意義のある、社会的に意義のある会社にしたい」
志水さんの目標はシンプルだけど、はっきりと決まっています。まだ小さい会社で課題はたくさんありますが、志水さんとメンバーたちはその壁を1つずつ乗り越えようとしています。志水さんはそんなメンバーたちを「仲間」だと呼んでいます。
26歳の若き起業家が、リソース配分の議論、新入社員の育成、大物経営者との対話、そして長期ビジョンの言語化。一週間のリアルから見えるのは、自分がいなくても回る組織を作ろうとする経営者の姿でした。
※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです


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