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総合>ビジネス動画>元ユニクロ上席執行役員が語る、組織を急拡大する仕組み化の本質|カリスマ性と仕組みの両立法

元ユニクロ上席執行役員が語る、組織を急拡大する仕組み化の本質|カリスマ性と仕組みの両立法

2024/5/18
M&A CAMPチャンネル
M&A CAMPチャンネル運営局

売上8,000億円から2兆円へ。ユニクロを擁するファーストリテイリングで10年間、人事・教育・サプライチェーン変革を担った地頭良輝氏が、組織を急拡大させる「仕組み化」の本質と、創業期から取り入れるべき思考法を語る。問題解決より問題設定、当事者意識は結果論——カリスマ経営者と仕組みを両立させる組織論。

カリスマ経営者だけでは説明できない、ユニクロ急拡大の正体


ユニクロを擁するファーストリテイリングは、売上8,000億円規模だった2010年から、2020年には2兆円を超えるグローバル企業へと成長した。海外店舗もほぼゼロから2,000店舗超へ。この急拡大の裏側には、創業者・柳井正氏のカリスマ性だけでなく、緻密に設計された「仕組み」が存在する。


本記事では、2010年から2020年までファーストリテイリングで人事・採用・教育、そして全社変革プロジェクトの責任者として上席執行役員まで務めた地頭良輝氏(現・株式会社代表)に、ユニクロで学んだ組織作りと、創業期から仕込むべき仕組み化の本質を聞いた。


地頭氏は新卒で銀行に入行後、コンサルティングファームで事業再生に従事。29歳でファーストリテイリングに入社し、丸10年間さまざまな組織のフェーズを経験している。現在は「個人と組織の悩み相談」をテーマに、コーチング事業を展開している。


いい組織とは「長期で利益を上げ続けられる組織」


地頭氏が考える「いい組織」の定義は明快だ。心理的安全性やチームワーク、従業員エンゲージメントといった要素はもちろん重要だが、それらだけでは組織は存続できない。


「結局のところ、長期にわたって利益を上げ続けられる組織がいい組織なんだろうなと思っています。瞬間最大風速的に利益を上げることは、ちょっと頑張ればできるかもしれません。でも、本当にいい組織というのは、何十年、何百年にわたって、関わる人や社会に対して利益を提供し続けられる組織です」


ここで言う「利益」とは、狭義の財務的利益だけを指すのではない。従業員、顧客、投資家・株主、そして社会といったすべてのステークホルダーに価値を提供し続けられる存在であること——これが地頭氏の組織観である。


創業期から「仕組みで回る組織」の種を仕込む


社員10人前後の創業期にこそ、地頭氏が最も強調するのが「仕組み化」だ。多くの経営者は、組織が拡大フェーズに入ってから仕組み化を考え始める。しかし、それでは遅いという。


「長期で利益を上げ続けるためには、極論、誰がその事業の責任者になったとしても、最低限の利益は巡航速度で上げ続けられる状態を作っておかないといけない。創業者が新規事業に軸足を移すような局面でも、現在の事業が仕組みで回る状態にしておけるかどうか。これを拡大フェーズに入ってから考えるのでは、かなり手遅れになります」


創業期はガッツのある経営者が寝る間も惜しんで現場を回しがちだ。それ自体は否定されるべきことではない。問題は、その「個の力技」だけに頼って成長してしまうと、経営者が抜けた瞬間に事業が回らなくなり、結果として拡大できないという点にある。


「仕組みを考える時間」を仕組み化する


地頭氏が指摘する重要なポイントは、姿勢論で終わらせないことだ。


「仕組みを考える時間を仕組み化して取らないと、永久に仕組みを考える時間なんて後回しになるんです。日常の24時間、7日間の時間割の中に、経営者として物理的にその時間を入れ込んでいるかが重要です」


日々のキャッシュを回すことは「やらざるを得ない」から自動的に時間が割かれる。しかし、未来への思考投資である仕組み化は「ナイス・トゥ・ハブ」になりがちで、明確に時間割に落とし込まないと実行されない。


さらにこの意識は、経営層だけでなく各部門・各チームのリーダーにも必要だと地頭氏は言う。組織が大きくなれば、部門ごとに「リーダーがいなくても仕組みで回る状態」を各レイヤーで設計しなければならないからだ。


ユニクロの店舗経営を支える「週次サイクル」の仕組み


ユニクロが8,000億円から2兆円へと拡大できた背景には、店舗経営の徹底した仕組み化があった。地頭氏が紹介するのが、全社で動く「1週間サイクル」だ。


毎週月曜日の朝、全社決算のような会議が行われ、柳井社長を含む経営陣で先週の商売を振り返る。その日の夕方には、議論の議事録が翻訳され、世界中の数万人の社員に一斉配信される。月曜から火曜にかけて全店舗が熟読し、本部からの指示が曜日ごとのデッドラインで現場に降りていく。木曜までに陳列やレイアウト変更を完了させなければ、土日のピーク商戦に間に合わない——というタイムラインまで全店共通で設計されている。


「店舗が今日1日何をやるべきかが、すべて時間割として組み込まれています。今日入ったアルバイトの方も、その仕組みの上で動くことになる。もちろん個性は強く求められますが、個性を発揮するための舞台として仕組みが完全に整っているんです」


この仕組みは海外展開時にもそのままインストールされる。単に店舗を出すのではなく、店舗運営の仕組みごと輸出することで、グローバル展開のスピードを担保しているのだ。


経営課題は「問題解決」より「問題設定」が9割


地頭氏が現在運営する事業は「トーチング」と名付けられている。これはコーチング、コンサルティング、カウンセリングのいずれとも異なる独自の方法論だ。語源は、聖火(トーチ)を相手に渡すこと。相手の心に火を灯すという意味が込められている。


トーチングが何より重視するのが「問題設定」である。


「ビジネスとは問題を解決することだと考えられがちですが、そもそも問題解決は、問題設定が正しくなされていなければ出番がないんです。個人も企業も、悩みにぶつかると一気に解決策を探しに走ってしまう。でも、正しく問題が設定されていなければ、解決策をいくら探しても答えにはたどり着きません」


ユニクロが時間をかけて作り上げてきた数々の仕組みも、丁寧な問題設定から生まれている。失敗を分析し、根本原因を突き止め、「だからこの仕組みが必要だ」というロジックで設計され、何十年もバージョンアップが続けられてきた。


自社の問題を自己診断する難しさと外部視点の活用


では、自社の本質的な課題を、自分たちで正しく設定するにはどうすればよいのか。地頭氏は、これは1人では難しいと率直に語る。


「個人も企業も、これまで身につけてきた常識や思い込みがあります。自分にとって、自社にとっての真の問題は何かという客観性が求められる作業なので、1人で行うのはかなり難しい」


外部の専門家に依頼する方法もあるが、それ以外でも、社外の第三者に「空気を読まずに」問いかけてもらう、自分とレイヤーの違う従業員に率直な意見を聞き、出てきた答えを否定せず受け止める——といったアプローチで、自分のバイアスを是正していくことができる。


当事者意識は「持たせる」ではなく「結果論」


組織が拡大するにつれて多くの経営者が悩むのが、新卒や中途入社のメンバーに当事者意識を持たせることだ。地頭氏のアプローチは逆説的だ。


「当事者意識は、構造的に持ちづらいものなんです。自分が起業したわけでもないので。だから『当事者意識を持って』と旗を振っても、相手には響きません」


代わりに地頭氏が実践してきたのは、相手がすでに当事者意識を持っている領域——つまり「現在進行形で苦しんでいる悩み」を聞きにいくアプローチだ。


「『うちの直属の上司の指示が朝令暮夕でブレるから、当事者意識を持ちたくても持てない』といった悩みは、本人が今まさに困っていることなので、当事者意識100%なんです。それを一緒に解決しに行き、問題を設定しに行く。その上で、その当事者意識の矛先を会社の経営課題に紐づけてあげる。この順番が圧倒的に効果的です」


「当事者意識を持て」と詰めるアプローチは、心の火を消すプロセスでしかない。当事者意識は、結果として育つもの——というのが地頭氏の結論だ。


1on1や360度サーベイが形骸化する理由


悩みを吸い上げる手段として広く導入されている1on1や360度サーベイ。しかし地頭氏は、これらが本来の目的を見失って形骸化しているケースが多いと指摘する。


「1on1の本来の目的は、現場の悩みを吸い上げ、本質的な経営課題を特定することにあります。でも実際は『人事部がやれと言ったからやっている』状態で、何を話せばいいかわからないというマネジャーが多い」


360度サーベイも同様で、低評価を恐れる上司が部下に踏み込んだフィードバックをできなくなり、結果として組織の弱体化を招くケースもあるという。手段が目的化することで、本来得たい「悩みの一次情報」が逆に取れなくなる構造だ。


銀行員1年目の挫折から始まった「悩み相談」というライフワーク


地頭氏のキャリアの原点は、新卒で入った銀行での1年目の挫折にある。学歴の高い同僚に囲まれ、金融の知識もない中で業務についていけず、「できないやつ」と思われたくないプライドから素直に相談できず、精神的に追い込まれた経験だ。


2年目、後輩ができたタイミングで「自分は仕事はできなくても、悩み相談には乗れる」と窓口を引き受けた。後輩の質問に答えるためにマニュアルを読み、先輩に聞きに行き——この「アウトプットを前提としたインプット」を重ねるうちに、地頭氏自身の業務遂行能力が飛躍的に伸びていった。


「悩み相談って、一見すると相手のための行為に見えるけれど、巡り巡って相談に乗る側が一番得をする行為なんだと気づいたんです。悩んでいる方からは、悩み相談に乗らなければ手に入らない一次情報がもらえる。そこに事業のヒントがいっぱい詰まっています」


この経験は、ユニクロ時代も、現在の事業にも一貫して流れている。


学び手であり続ける柳井正という経営者


半分はカリスマ経営者の柳井正氏のリーダーシップ、半分は仕組み——その両輪でユニクロは拡大した。では柳井氏のすごさはどこにあるのか。地頭氏は「学び手であり続けていること」を挙げる。


「全社員の中で1番読書をしていますし、世の中の情報に対して1番アンテナが立っている。アンテナにヒットしたら全社で1番アクションが早い。『こういう部下がいたらめっちゃ楽だろうな』と上司が思うような動きをする経営者です」


地頭氏がグローバルのサプライチェーン責任者だった頃、朝一番に社長室に呼ばれると、海外の専門誌に大量の付箋がついた状態で「読んだかもしれないけど、フランスのこの会社、参考になるかもしれない」と渡される——そんなエピソードが日常的にあったという。


柳井氏が好む言葉に「優れた教え手であり、かつ優れた学び手であり続けなければならない」がある。地頭氏は、柳井氏自身がこの言葉を体現していると振り返る。


なお、ファーストリテイリングの原理原則をまとめた『経営者になるためのノート』は、当初は経営幹部上位約200人に配布されるシリアルナンバー付きの「秘伝の書」だった。これが「もっと幅広く社内外に共有すべき」という柳井氏の判断で、市販書籍として広く公開された経緯があるという。


矛盾の中にこそ事業機会がある


最後に地頭氏が組織作りに悩む経営者へ送ったメッセージは、「矛盾を遠ざけない」という発想だ。


「利益を優先させたら顧客満足度が下がる、事業成長を優先させたら従業員教育がおろそかになる——みんなゼロサムゲームで戦っているから悩むんです。でも、悩みがあるところには矛盾があり、矛盾があるからこそ事業機会が生まれる」


ユニクロ自身が、かつて「安かろう悪かろう」だったアパレル業界で「安くて良いもの」という矛盾の解決に挑んできた企業だ。多くの企業がその矛盾の前で予選敗退していく中、突破できれば新しいマーケットを創造できる——それこそが事業経営の本質ではないか、と地頭氏は語る。


悩みや矛盾を欲しがり、根本問題を特定し、人に頼らず仕組みに落として解決する。このサイクルを高速で回し続けるカルチャーを、創業フェーズから根づかせる——MA CAMP読者である経営者にとって、明日から時間割を書き換えるヒントになるはずだ。


※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです

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目次

  1. 1.カリスマ経営者だけでは説明できない、ユニクロ急拡大の正体
  2. 2.いい組織とは「長期で利益を上げ続けられる組織」
  3. 3.創業期から「仕組みで回る組織」の種を仕込む
  4. 4.「仕組みを考える時間」を仕組み化する
  5. 5.ユニクロの店舗経営を支える「週次サイクル」の仕組み
  6. 6.経営課題は「問題解決」より「問題設定」が9割
  7. 7.自社の問題を自己診断する難しさと外部視点の活用
  8. 8.当事者意識は「持たせる」ではなく「結果論」
  9. 9.1on1や360度サーベイが形骸化する理由
  10. 10.銀行員1年目の挫折から始まった「悩み相談」というライフワーク
  11. 11.学び手であり続ける柳井正という経営者
  12. 12.矛盾の中にこそ事業機会がある
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