M&A CAMPチャンネルを運営するダイアリーが、2025年10月からインターFMでラジオ番組「瞬代の秋内経営ラジオ」をスタート。同時に、これまで一切受けてこなかったタイアップに代わる新たな収益モデルとして、スポンサープランの募集を開始する背景と狙いを語った。
M&A CAMPチャンネルを運営するダイアリーが、新たな取り組みとしてラジオ番組のスタートとスポンサー募集を発表した。これまで経営者インタビューチャンネルとしてタイアップを一切受けずに運営してきた同チャンネルが、なぜいまスポンサー制度を導入するのか。その背景には、メディアとしての信念と、事業として継続するための収益のバランスを探る経営者としての葛藤があった。
2025年10月の第1週から、インターFMの地上波ラジオ番組として「瞬代の秋内経営ラジオ」がスタートする。放送は毎週火曜日の朝5時半から6時までの30分番組で、経営者をゲストに招いて深く掘り下げて話を聞く構成だ。
撮影自体は1時間から2時間ほど行うため、ラジオでオンエアされるのは一部のみとなる。そのノーカット版を、M&A CAMPのYouTubeチャンネルで公開していく形になる。第1回目の撮影はすでに進行しており、10月の放送開始に向けて準備が進んでいる。
視聴回数だけを比較すれば、YouTubeのほうがラジオよりも多くのリーチを取れる。それでもラジオ番組を始める理由について、秋内氏は「見えないブランド価値」だと語る。
大物のゲストをキャスティングしたり、アポイントを取ったりする際に、地上波ラジオ番組を持っていることが「箔」として機能する。Web媒体では出演を断る人物でも、ラジオ番組であれば応じてもらえるケースがあるという。これまでできなかった企画や、呼べなかった人物にアプローチできるようになる――そんな期待がラジオ参入の動機になっている。
放送時間帯の朝5時半から6時という枠も、意識の高いビジネス層にリーチできる時間帯だ。同じ放送局・同じ時間帯の月曜日には、元ゴールドマンサックスの田中K氏のラジオ番組も放送されており、ビジネスパーソンが集まる媒体としてのポジショニングが期待できる。
M&A CAMPチャンネルが抱える課題は、収益面にある。グループ会社が運営する就活チャンネルや転職チャンネルでは、タイアップ動画や企業の密着動画など企業案件が売上の9割ほどを占めている。一方、M&A CAMPチャンネルはタイアップを一切受けてこなかったため、広告収入だけでは制作費を賄えず、大幅な赤字が続いているという。
「広告収入で賄えるかなと思っていたんですが、だいぶ赤字でした」と秋内氏は率直に明かす。
それでもタイアップを受けないのは、強いこだわりがあるからだ。採用動画と違い、経営者インタビューは「お金を払えば出演できる」と思われたくない。本当に話を聞きたい相手のところに行き、長期でブランドを作っていきたい――。開設からまだ1年半というフェーズだからこそ、まずは影響力を最大化することを優先したいという考えだ。
そこで導入されるのが、ラジオ番組のスポンサーモデルを参考にしたスポンサープランだ。テレビやラジオでよくある「この番組は○○の提供でお送りします」という形式や、動画の真ん中にCMを差し込む形式を想定している。
仮決めの段階だが、現時点で4つのプランが提示されている。
- **ミニマムプラン(月10万円)**: 通常動画(月10〜15本、多い時は20本)のダイジェスト後にロゴを掲載
- **ラジオプラン(月30万円・限定3社)**: ラジオ番組のスポンサー企業として紹介、20秒のCM動画を制作・配信
- **全動画プラン(限定5社)**: 通常動画の全動画にスポンサーとして紹介、読み上げ付き
- **CMセットプラン(月150万円・限定3社)**: 20秒のCMを制作し、ラジオを含む全動画の真ん中あたりで掲載
1本のタイアップ動画を作るよりも、全動画にCMが載り、概要欄にもリンクが貼られるため、一定の効果が見込めるとしている。
秋内氏は、M&A CAMPチャンネルの直近の数値も公開した。
チャンネル登録者以外からの視聴が約8割を占めており、新規層に広く届いている状況だ。視聴デバイスも特徴的で、スマートフォンが6割にとどまり、パソコンとテレビでの視聴が合計3割を占める。秋内氏は「仕事をしながらパソコンで見たり、テレビで流しながら家事をしたりする層、おそらく経済的に余裕のある方が見ているのではないか」と推測する。
平均視聴時間は9分弱と長め。視聴者層は男性78%・女性21%で、年齢別では35〜44歳が30.5%、45〜54歳が25.0%、25〜34歳が22.3%、55〜64歳が12%、18〜24歳は3.2%にとどまる。グループ会社の若年層向けチャンネルとは対照的に、30〜50代の経営者層を中心とした「大人向けチャンネル」として成立している。
直近90日のデータでは、再生時間が約29.6万時間、視聴回数は約200万回。月換算で60万回ほどの再生数となっている。伸びている会社の経営者や上場企業の経営者も視聴しており、リテラシーの高い層に届いている。
この特性から、一般的なYouTube広告・Web広告・タクシー広告よりも、決裁者層へのリーチという観点で効果が期待できると秋内氏は見る。とくにM&A仲介会社や、決裁者への認知を広げたい企業との相性が良いという。
前回の動画でも語られた通り、運営会社のダイアリーは上場を目指している。営業利益を確保し、収益を粗利10%以上で上げ続けることは経営課題として明確に位置づけられている。
一方で秋内氏自身には、「いい動画を作りたい」「いい世界観を作りたい」というクリエイターとしての気持ちが強い。経営者とクリエイターの間で生まれる葛藤を抱えながら、それでも「いい動画を作り続けるためにも、ちゃんと売上を作ることは非常に重要だ」と再認識したという。
スポンサーから受け取った資金は、基本的にすべて制作費に充てる方針だ。タイアップを受けて1本ごとに対価を得る形ではなく、スポンサー制度で制作費を賄うことで、メディアとしての独立性を保ちながら成長を目指す。「マイナスをゼロにする文脈」と秋内氏が表現するように、まずは赤字構造を解消することがスポンサープランの第一の目的だ。
ビジネスモデル上、掲載できるスポンサー数には上限がある。むやみに枠を広げて媒体価値を毀損するつもりはない。だからこそ、限られた枠で「決裁者層に届く領域特化メディア」としての価値を高めていく方針だ。
スポンサー企業の商品を番組内で紹介する形式――たとえばコーヒーなどを置いて自然に登場させる手法――についても可能性が示唆されている。日本の番組ではむしろこちらの形式が主流であり、相談ベースで対応していくという。
問い合わせは、動画概要欄に記載されたFacebookとLINEから秋内氏が直接受け付ける。チャンネル運営はほぼワンオペ体制のため、関心度の高い企業に絞って対応していく予定だ。ミニマムプランは社数の上限を設けず継続的に募集する一方、ラジオプラン、全動画プラン、CMセットプランはそれぞれ3〜5社に限定される。
秋内氏は最後に、より良いメディアを作るため、ブラックボックス化された情報を開示してより良い意思決定を支援するためにも、新たな収益基盤の構築に挑むと語った。経営者としての視点とクリエイターとしての信念を両立させる試みが、いま始まろうとしている。
※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです


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