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総合>ビジネス動画>利益は出ているのに現金が減るのはなぜ?前受金と運転資金から読み解く資金繰りの落とし穴

利益は出ているのに現金が減るのはなぜ?前受金と運転資金から読み解く資金繰りの落とし穴

2024/5/12
M&A CAMPチャンネル
M&A CAMPチャンネル運営局

PL上は黒字なのに預金残高が減っていく――多くの経営者が抱くこの違和感の正体を、会計のプロが解説。前受金・未払金の扱い、銀行が運転資金を貸す本当の理由、そして現金残高を判断する正しい比較軸まで、資金繰りに悩む経営者必読の内容です。

「儲かっているのにお金が減っている」その違和感の正体


決算書や試算表を見ると利益は出ている。なのに、預金残高は月を追うごとに減っていく――。経営者であれば一度は感じたことがあるであろう、この奇妙な感覚。今回は、その「ずれ」がなぜ起きるのか、そして本当に注視すべきポイントはどこなのかを、会計のプロが具体的な事例とともに解説する。


相談者の経営者はこう切り出した。「PL上はうまくいっているはずなのに、お金がどんどんなくなってきている感覚がある。総合的に利益は上がっているはずなのに、キャッシュフローレポートを見るとお金がめちゃくちゃ減っている。預金の合計も毎月減っていて、若干の違和感を感じている」。


利益と現金がずれる理由は「貸借対照表」にある


利益と現金のずれを読み解く第一歩は、貸借対照表(BS)の動きを見ることだ。原則は次の通り。


- 資産が増えた(買い物をした)/負債が減った → 現金は減る

- 資産が減った/負債が増えた(借入など) → 現金は増える


この視点で試算表を見ていくと、相談者のケースでは「未払金」が増えていた。未払金は負債なので、増えれば理屈上は手元現金が増える方向に働く。にもかかわらず預金は減っている。となれば、別の場所に大きな変動があるはずだ。


そこで目に留まったのが「前受金」の急減である。前受金がほぼゼロになっていた。これは、以前にすでに現金で受け取っていたお金が、今期になって売上に振り替わったことを意味する。つまり、利益は計上されているが、その原資となるキャッシュは過去にすでに入金済みであり、今期の現金残高が増える要素にはならない――これがずれの正体だ。


「儲け」はもう先に受け取っていた


相談者の感覚はこうだ。「先に振り込まれて、前受金から少しずつ売上に振り替えていた。途中で未払金(返金予定額)に切り替わったタイミングがあるが、まだ実際の支払いは発生していない。だから現金を払った覚えはない」。


ここでプロの解説が入る。前受金からの売上振替は、すでに過去に受け取った現金が「利益」として実現しただけ。キャッシュフロー経営の観点から見れば、「まだ何もしていないのにお金だけもらってしまっている状態」が、サービス提供によって元に戻っただけのことだ。決して悪いことが起きているわけではない。


むしろ、前受金を受け取る前と比較すれば、利益の分だけ会社は確実に成長している。


比較すべきは「期首」ではなく「1年前の同じ月」


多くの経営者がやりがちなのが、期首と現在を比較してしまうことだ。期首に大きな前受金が入っていれば、その時点との比較では預金は劇的に減って見える。これでは「儲かっているのにお金が減っている」という焦りばかりが先に立つ。


正しい比較軸は、「1年前の同じ月」との比較である。


毎年同じ時期にお金が入り、同じように売上計上していくビジネスであれば、前年同月と現在は同じコンディションにある。その上で預金が増えていれば、会社は確実に良くなっていると判断できる。


金融機関が融資審査で「前年同月の試算表」を求めてくるのも、まさにこの理由だ。同じ時期で状態を比べ、良くなっているのか悪くなっているのかを把握している。決算書も本来、同じ時点同士で比較するためのものである。


預金残高は「増減」ではなく「絶対値」で判断する


さらに踏み込むと、増減そのものに一喜一憂する必要はない、というのがプロの結論だ。重要なのは「今の現金残高が、自分の会社にとって理想とする金額かどうか」を判断することにある。


目安としてよく語られるのは、月商の3か月分や半年分といった水準。今回登場するアドバイザーは慎重派で「理想は3年分」と語る。そこまで持てれば、ほぼ無敵の財務体質だ。


増減はあくまでプロセスでしかない。理想残高という基準を持っておけば、月々の変動に振り回されず、本質的な経営判断に集中できる。


キャッシュフロー計算書や資金繰り表を勉強しすぎて、何も悪いことをしていないのに「問題があるかも」と不安に駆られる――これは多くの真面目な経営者が陥るワナだ。問題のないことに問題を見出してしまうこの状態こそ、避けるべきである。


銀行が貸したいのは「売掛金」と「在庫」を担保にする運転資金


話題は金融機関との関係に移る。相談者は、新たに信用金庫からの借入を実行した直後、別の取引銀行から「プロパー融資にあたって前受金を減らしてもらえると審査が通りやすい」と言われたという。


ここにも前受金の本質が表れている。


銀行融資の主力は、今も昔も「運転資金」だ。経営者の感覚では「日常の支払いに使うお金」というイメージが強いが、銀行が定義する運転資金とは、貸借対照表上の「売掛金」と「在庫」を指す。


- 売掛金 = お客様からまだ入金されていないお金

- 在庫 = まだ販売されておらず、現金化されていないモノ


この「入ってこないお金」を自社の手元資金で賄えるなら問題ないが、不足する場合に銀行が立替的に融資してくれるのが運転資金の本質だ。


ところが前受金は、これと180度逆である。サービス提供前にすでに現金が入ってきている状態であり、銀行からすれば「その中でやりくりすればいいのでは?」となる。つまり、貸す理由がなくなってしまう。


売掛金や在庫が積み上がっている会社のほうが、銀行との関係を強くしやすく、調達できる金額も大きくなりやすい。財務の教科書では「売掛金は早く回収し、在庫は持つな」と語られるが、これを徹底すると銀行融資は受けにくくなる、という現実がある。


前受金はなぜ「粉飾されやすい」と疑われるのか


銀行が前受金に慎重になるもう一つの理由が、粉飾リスクである。


仮にサービス未提供のまま売上を架空計上しようとした場合、現金を伴わない架空売上は「売掛金」を膨らませる形になり、急激な売掛金の増加として銀行に発見されやすい。


ところが前受金の場合は、すでに現金が入ってきている。本来は前受金として処理すべきものを売上に計上してしまっても、外部からは見抜きにくい。業績が苦しい局面では、前受金を売上に振り替えて赤字を黒字に見せる誘惑が働きやすい――これが「前受金は印象が良くない」と言われる構造的な背景だ。


前受金を返金する場合の落とし穴


相談者は、前受金の一部を途中解約に伴い返金することになり、勘定科目が「未払金」に切り替わったという。これによって何か銀行から見た印象に影響はあるのか、と問う。


アドバイザーの答えは明快だ。「返金に至った理由を聞かざるを得なくなる」。


キャパオーバーで仕事を断ったというポジティブな理由ならまだ良いが、トラブルによる返金など、ネガティブな事象である可能性が高い。銀行は一度聞いてしまえば、聞かなかったことにはできない。業績自体に問題がなくても、慎重にならざるを得なくなる。


そのため、可能であれば「前受金のまま、内金として返金処理を進める」ほうが、無用な質問を呼び込まずに済む。正直に勘定科目を切り替えすぎることが、かえって金融機関とのコミュニケーションを難しくするケースもあるのだ。


まとめ:「お金が減った」と感じたら、まずBSと前年同月を見る


今回のケースをまとめると、お金が減っている原因は、前受金で計上されていたものを「今期の売上」と勘違いしていたことに集約される。


対策はシンプルだ。


- 利益と現金のずれを感じたら、貸借対照表の資産・負債の増減を見る

- 比較軸は期首ではなく「前年同月」に置く

- 預金残高は増減ではなく「理想残高との差」で判断する

- 銀行融資の主力は売掛金・在庫を裏付けとする運転資金。前受金型ビジネスは融資が受けにくい構造であることを理解する

- 返金処理は勘定科目の選び方ひとつで金融機関の印象に影響する


会計の数字に振り回されず、自社のビジネス構造と現金の流れを正しく理解すること。それが、健全な資金繰り経営の出発点になる。


※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです

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目次

  1. 1.「儲かっているのにお金が減っている」その違和感の正体
  2. 2.利益と現金がずれる理由は「貸借対照表」にある
  3. 3.「儲け」はもう先に受け取っていた
  4. 4.比較すべきは「期首」ではなく「1年前の同じ月」
  5. 5.預金残高は「増減」ではなく「絶対値」で判断する
  6. 6.銀行が貸したいのは「売掛金」と「在庫」を担保にする運転資金
  7. 7.前受金はなぜ「粉飾されやすい」と疑われるのか
  8. 8.前受金を返金する場合の落とし穴
  9. 9.まとめ:「お金が減った」と感じたら、まずBSと前年同月を見る
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