編集者・箕輪厚介氏がM&A CAMPに登場。2025年の振り返り、40代の生き方、そして2026年に起こると予想する「ビジネス芸人オワコン化」「田端信太郎氏のホワイト化」「ReHacQ大炎上」など、メディアとSNSの未来を語った対談を再構成しました。
2025年もまもなく終わるタイミングで、編集者の箕輪厚介氏がM&A CAMPに再登場した。前回の出演からおよそ4ヶ月。占いを基本的に信じていないという箕輪氏だが、「細木先生だけはガチ」と語り、自身を天王星人マイナスと表現する。
「役年とか天中殺とか、これまで突っ走ってきた型が崩れる時。仕事もプライベートも、生き方そのものに歪みが出てくる。痛みを伴いながら、人生後半を自分っぽく生きるための期間だと思う」
2025年8月の文春砲を含む報道後には、知人・友人から多くの連絡が入ったと振り返る。「保証はできないけど、保証人は5人くらいやっていて誰も離婚していない。自分の保証は難しいけれど、人の保証はできる」と笑いながら、降りかかった出来事を「正解にするしかない」と淡々と語った。
振り返れば、箕輪氏の30代は怒涛だった。
- 30歳:幻冬舎へ転職
- 31〜32歳:『多動力』を出版
- 34歳:金髪・トゥクトゥクで会社へ通う、サンダルを18万円で販売
- それ以降:テレビ出演、文春報道、ノンフィクション、ビジネス書の領域拡大
「現幻舎に入ってから本を立て続けにヒットさせて、テレビに出て、文春をやられて、今年に至るまで——全部30代だった。激動だったね」
文春報道で半年ほどSNSを止めた時期はあったものの、A面(テレビ芸人)からB面(ネット芸人)へのシフトとして結果的にはプラスに働いたと総括する。「YouTubeをバカにしていたままだったら、コメンテーターをやって気づいたらオワコンになっていた可能性もあった」。
40歳を迎えた箕輪氏は、自身のポジションを次のように整理する。
「企業家の人たちの中になぜか俺がいる。企業家じゃないんだけど、武将の人より戦っていないのに、武将が時代の方向を聞きに来る存在。秋元さん、見城さん、鈴木おさむさんもそうだと思うんだけど、肩書きで括れない感覚的な需要がある」
スタートアップを自分で立ち上げる選択肢は30代前半までで消え、いまは本作りを通して時代と人間の機微を捉え続け、顧問的な壁打ち相手として機能していく。「ある意味で改造度の高い占い師みたいなポジション」と表現するこの立ち位置を、2026年以降も極めていく方針だ。
聞き手は2025年、5回目となるインド渡航・新面(シンメン)滞在を経験した。スピリチュアルに傾倒するのではなく、むしろ「天国なんてない、自分次第だ」と腹落ちしたという。これに対して箕輪氏は、世界の流れを次のように分析する。
「いまは SBNR(Spiritual But Not Religious)的に、宗教ではないが精神的なものに自己同一化する人がめちゃめちゃ増えている。日本では資本主義やお金がひとつの神だったけれど、それが幸せに直結しないとバレてきた。だから人はスピってないと生きていけない」
企業家には株価、YouTuberには再生数という物差しが残るが、一般の人にとって「こう生きれば立派な人生」というロールモデルが消失した。それが現代の不安の正体であり、スピリチュアル消費の根源だという見立てだ。
ここからが箕輪氏の2026年予測である。第一の予測は明快だ。
「ここ数年でわっと目立った『ビジネス芸人おじさん』たちは、来年なかなか厳しい年になる。喧嘩を続けてもひとり一人の取り分が減っていく。世間が『もうええわ』と飽きるタイミングが来る」
背景にあるのは、個人インフルエンサーの乱立から、コミュニティへの集約という構造変化だ。リアルバリュークラブや令和の虎のような大きなコミュニティが帝国化し、その内部で求心力を持つ者だけが商売を成立させる。個人芸でのし上がるルートはすでに細りつつあるという。
第二の予測は、具体的な人物・媒体に踏み込む。
まず、論客として知られる田端信太郎氏について。「メルカリの書類送検(の件)の流れを見ても、田端さんはホワイト化していくと思う。Xでの炎上もするんだろうけど、一線を超えないようにする。社長相手には絡んでも、一般市民には絡まなくなる」
田端氏が掲げる「Twitterというリングに上がった以上、素人もプロもない」という思想自体は理解できるとしつつ、箕輪氏はSNSにおける「罪と罰のバランスが完全に壊れている」と指摘する。少しの空気の読めなさや異論に対して、家族や過去の写真まで晒される無法状態は健全ではない、と。
そしてReHacQへの予測がさらに踏み込んだ内容だ。
「ReHacQは大炎上する。これどうするの、という事件が1個起きると思う」
ニューズピックス、成田悠輔氏、ひろゆき氏、堀江貴文氏、そしてリハック自身も含めて——「カウンターポジション」で支持されてきた発信者がメインストリーム化したとき、それまで賞賛されてきたムーブが逆回転を始める。これがメディアの宿命だという見立てだ。事実関係よりも「世間のヘイトがどれだけ溜まっているか」が説得力を決めるフェーズに入る、と箕輪氏は警鐘を鳴らす。
2025年、対談相手はPIVOTのタイアップ動画の多さを問題視する声が増えていることを指摘した。これに対して箕輪氏は意外な自己批判を展開する。
「俺の世界観チャンネルもタイアップ化している。10本のうち8本くらいが案件。スタッフにも『多すぎる』と言ったよ。受けすぎて、先方から『いつまでに公開してください』と来て、芋づる式に重なる。YouTuber1年目みたいなことを今、僕も言っている」
ただし、PIVOTと自分のチャンネルでは公器性が違うと整理する。「PIVOTは『日本をピボットする』とメディアの責任を背負っている。俺のチャンネルは公器じゃないから、別にいい。でも公器じゃないと虚無になる。組織や社会を背負っていないと、頑張る理由が消える」
また、PIVOTの佐々木紀彦氏についてはこう予測した。「佐々木さんはまだ飽きていないが、突然パタッと飽きる人。2〜3年のうちに上場して、社長は別の人に任せ、自分は新しいことを始めると思う」
対談の締めくくりで、ある人物の「かっこよさ」を構造的に語る議論についても箕輪氏は釘を刺した。
「亀山(敬司)さんのかっこよさは、力が入っていないところが一周回ってかっこいい。それを『なぜかっこいいか』本人に聞いて答えさせちゃダメだよね。創業社長で成功している人は、フランス、イタリア、ドイツみたいに、それぞれ違う国。比べるものじゃない」
2026年の箕輪氏は、引き続き編集者として時代と人間の嗅覚を磨きつづける。文春報道で崩れたものを直しながら、最高と最低が共存する現実を編集していく——それが本人にとって最も合理的な生き方だと位置づけている。
「日々増えているのよ。何があっても、箕輪よりマシだと思える存在ではあれるからね」
※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです
