全額ローンで新築タワーマンション「豊海タワー」の購入を検討する経営者が、不動産投資の専門家せかす氏に物件選びの極意を直撃。二極化が進む不動産市場で勝つための判断軸、円安と都心一極集中の構造、レバレッジ活用法まで徹底解説する。
「結論から言うと、こちらにある新築の建設中のタワーマンション『豊海タワー』を買おうと思っています」
M&A CAMPの動画企画「家を買うシリーズ」第2弾は、ホスト自身が新築タワーマンションの購入を本気で検討する場面から始まった。投資目的の物件選びに自信が持てないため、SNS総フォロワー10万人超の不動産投資専門家・せかす氏を招き、申し込み直前にプロの視点を聞くという企画である。
対象物件は2棟構成の豊海タワーのうち、内側で日当たりが弱い棟の低層階。1億円弱の住戸で、申し込みは多倍化での抽選制となっている。せかす氏は2025年春に3冊目の著書『普通の人だからここまでかけた不動産投資をぶっちゃけます』を上梓したばかりで、ホストとは6年来の付き合いだ。
海外投資家の流入や円安によって「タワマンバブル」とも言われる現状について、せかす氏の見解は明快だ。
「結論から言うと、二極化で今後も伸びる物件と、むしろ価値が落ちていく物件の格差がどんどん広がっていく、というのが僕の見解です」
一部の物件は「もうバブルでは」と思われた水準からさらに値上がりする一方、割安に見えて飛びついた物件が下落していく。判断を誤れば、同じ「不動産」というラベルでも結果は真逆になる。
価値が下がっていく代表例は、徒歩10分以上、コンビニまで徒歩15分、各駅停車しか止まらないマイナー駅といった利便性の低い物件だ。仕事は新宿・渋谷・池袋・品川・東京駅という山手線5大ターミナルに集約されている以上、都心へのアクセスが悪い物件には需要が積み上がらない。
総務省の国勢調査ベースで、コロナ前(2015〜2020年)の5年間に東京都の人口は約65万人増加。社会増減を差し引きしても年間12万人規模で人口が流入していた計算になる。せかす氏は「コロナが落ち着いた現在は、おそらく年間12万人以上が東京都心に押し寄せている」と見る。
「東京都の人口は増え続けているし、より東京都心に人が集まることが起きている。だから都心は需要が伸び続け、逆に田舎・郊外・地方の価値は下がっていく、というのが結論です」
地方創生政策は10年以上前から続いているが、自由経済における「神の見えざる手」は政治の力では止められない、というのが氏の立場だ。
投資目的なら東京23区がほぼ一択だが、その中でもさらに格差は広がっている。せかす氏が挙げる上位5区は、中央区・港区・渋谷区・千代田区・新宿区の5つ。逆に荒川の氾濫リスクがある東側エリアは価値が下がりやすいという。
さらに同じ区内でも物件ごとに大きな差があり、「中央区イコール全部オッケーではない」と注意を促す。「エリア×物件そのもの」を両方見なければならない。
そのうえで、豊海タワー(中央区)について氏は「第三者として、長期保有・家賃収入が目的なら賛成」と判断。43平米で約1億円の周辺中古事例(築10年級)と比べ、新築・築0年で40平米7500万円台の住戸はむしろ割安だと指摘する。「価格との掛け算で考えてください、というのが結論」だ。
せかす氏は、タワマンに需要が集まる構造を3つに分解する。
**1. 利便性**
単純な駅近さに加え、コンシェルジュ、ジム、大浴場、サウナ、パーティールーム、ビューラウンジ、バーといった共用部が、自宅以外での体験価値を底上げする。「困った時のコンシェルジュ」「友人を招待した時の安心感」も、立地条件と並ぶ強みだ。
**2. 金融商品としての側面**
不動産の決定的な強みはレバレッジだ。住宅ローンや投資用ローンを使えば、自己資金の何倍もの資産を保有できる。株式の信用取引のような期間制限もない。「7000万円の物件を手金700万円、残り6300万円を借りる──株式投資ではこれができない」とせかす氏は強調する。
さらに、円安は世界の投資家から見た日本の不動産を割安に見せる効果がある。MicrosoftやApple、NVIDIAを上回る企業が日本から生まれない限り、円安基調は続くというのが氏の見立てだ。
**3. 自慢・モテ**
高級マンションには「同じものが二つとない」アート的価値がある。三田ガーデンヒルズやパークコート神宮北参道のように、屋上ラウンジから新宿御苑や明治神宮を見下ろせる眺望は、所有することで「人生に成功した」という確信をもたらす。人間の根源的な承認欲求が価格を押し上げている、という分析だ。
「不動産価格はバブルでは」という疑問にも、せかす氏は否定的だ。
土地価格そのものの上昇に加え、職人不足による人件費の高騰がある。職人1日あたりの単価は5〜10年前の2倍以上。資材コストも円安で押し上げられている。原価が上がっている以上、これは投機ではなく実態に即した値上がりだという。
ただし、立地が悪い郊外・地方の物件はこの恩恵を受けない。「立地が悪い物件はやめた方がいい」と繰り返し釘を刺す。
せかす氏自身は、社会人1年目から物件を探し、24歳のときに3500万円の住宅ローンを組んで自宅を購入した。リーマンショックや東日本大震災以降、日本の不動産は基本的に右肩上がりで、デフレも起きていない。
「住宅ローンはタイムマシン。早く得ることで、早く利益を得ることができる」
世帯年収1000万円以上、もしくは納税額・既存資産で社会的信用を示せる層でなければ、そもそも勝負の土俵に上がれない。逆にその条件を満たすなら、動き出すタイミングは早ければ早いほど有利だという。
ホストが「資産管理会社で不動産を持って、それを担保に会社のファイナンスに使う事例もある」と切り出すと、せかす氏は条件付きで賛成しつつ、注意点を指摘した。
株式会社で買う場合、株式は資産に算入されるものの、価格が上下する性質を金融機関が嫌うケースがある。担当者によっては「現金化してください」と言われることも。優良物件があるときは「現金を投入する覚悟もある」と伝え、ローン比率(物件価格の7〜9割)を交渉していく姿勢が必要だ。
また、新築タワマンの仲介手数料は0円のため、デベロッパーしか利益を得られない。「だから普通の人はアドバイスしない」「お勧めして値下がりしたら責任を問われるのに1円ももらえない」──情報の非対称性が、新築タワマン購入を初心者にとって難しくしている構造でもある。
投資目的か自宅用か、という問いに対して、せかす氏は「最後は愛を持てるか」と答える。
「3階と同じマンションの7階では全然違う。眺望は毎日見るもの。この物件のこの眺望じゃないとダメ、というレベルで愛せるなら賛成」
ファイナンスの定石としてレバレッジを効かせ、二極化の勝ち組エリアを選ぶ。そのうえで、自分が長期保有する覚悟を持てるかどうか──これが最後の判断軸となる。
動画は、ホストが「とりあえず申し込みます」と宣言して締めくくられた。当選結果は、続編で報告される予定だ。
※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです


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