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総合>ビジネス動画>離職率はどうすれば下がるのか|HRキャプテン有賀氏が語る『強い組織』の採用・育成・覚悟

離職率はどうすれば下がるのか|HRキャプテン有賀氏が語る『強い組織』の採用・育成・覚悟

2025/8/28
M&A CAMPチャンネル
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45年間で10社、IBMやユニクロ、ミスミなど多様な企業で人と組織に向き合ってきた有賀氏が、66歳でベンチャー「始まり」に飛び込んだ。採用の見極め、離職を減らす組織づくり、そして経営者が持つべき『監督』と『キャプテン』の二面性について語る。

66歳でベンチャーへ飛び込んだ人事のプロ


株式会社始まりの有賀氏は、これまで45年間にわたり、鉄鋼メーカーや自動車メーカーといった伝統的な日本の大企業から、IBMやヒューレットパッカードなどのグローバルIT企業、さらにユニクロや自身が社長を務めた洋服関連企業まで、計10社で人と組織に関わってきた人物だ。直近では、ミスミや日本デイリーセンターといった上場企業で人事の責任者を歴任。そして昨年11月、人生で初めてのベンチャーである株式会社始まりへ参画した。


キャリアを重ねた66歳での転職。平均年齢28歳という若い仲間たちに囲まれながら、新入社員として20代の先輩から仕事を教わる毎日だという。


「明るく楽しく元気に仕事をさせてもらっています」と語る有賀氏のキャリアの原点には、人と組織への強い関心がある。


日米の現場で気づいた『年功序列と実力主義』の意外な実態


人事の世界に本格的に入ったのは38歳。自動車業界で8年間人事を経験した後、洋服の世界で物作りやファッションブランドの社長を務めた。社長として「大失敗」したことをきっかけに、自分の得意分野である人と組織に再び戻り、それからすでに20年以上が経つ。


人と組織に深く関心を持ったきっかけは、アメリカ駐在時の体験だった。


「生産管理や会計、マーケティングは日本とアメリカでそんなに違わない。一番違うのは人と組織だと感じました」


通説では、日本は年功序列、アメリカは実力主義と言われる。しかし現場に降りると、その構図は単純ではなかった。日本のホワイトカラーは確かに年功序列的だが、アメリカに行くと工場の労働組合は既得権を守るためにガチガチの年功序列。つまりブルーカラーは日本と真逆で、アメリカの方が年功序列が強いのだ。


この発見が、グローバル組織のマネジメントを考える上での原点になったという。


採用で見るべき『2つの軸』とカルチャーフィットの掘り方


有賀氏が長年取り組んできたのはHRBP(ヒューマンリソース・ビジネスパートナー)の仕事だ。社長や事業部長のパートナーとして、戦略の一部に人と組織を組み込んで考える役割である。


採用において常に見てきたのは2つの軸だという。


- 地頭や論理性

- 人としてのキャラクター(リーダーシップ、チームワーク等)


「この2つの軸が、自社の求めるものと合っているか。たとえば『ひたすら稼げばいい』というビジネスモデルであれば、稼げる人を集めればよい。一方でチームで1+1を3にする仕事を目指しているなら、カルチャーフィットは絶対に大事です」


さらに同じ会社の中でも組織によって求められる人材は違う。工場や物流などオペレーション現場ではチームワークが重視される一方、業界によっては営業部隊は『ピンで稼げる人』を集めるほうがフィットすることもある。


ではカルチャーフィットをどう見極めるのか。有賀氏が意識するのは、広く浅く聞くのではなく、1つのエピソードを縦に深掘りしていくことだ。


「得意なこと、あるいは大失敗したことを1つ取り上げて、『どんな環境だったのか』『あなたの役割は何だったか』『何が大変で、どう乗り越えたか』『そこから何を学んだか』と掘り下げていくと、その人の価値観や行動様式が見えてきます」


広く浅く話を聞くと、作り話でも見抜けない。深く掘れば必ずボロが出るという。


採用の失敗を減らす方策と、コロナ世代特有の落とし穴


それでも採用の失敗は何度も経験してきたという有賀氏。リスクを下げるための工夫として、自分一人ではなく、複数のチームメンバーに会ってもらうことを挙げる。1対1だけでなく、複数で食事をするような場も設けると、テーブルマナーや振る舞いから見えるものもある。


また、業務委託期間やインターンも、互いを見極める貴重な期間になる。


最近の採用現場で印象的だった事例として、有賀氏はコロナ世代の学生について語る。オンライン面接では論理的に話せて好印象だったが、対面で会うと「全然喋れない子だった」というケースだ。


「コロナ期間中に高校・大学を過ごした人は、カメラに向かっては喋れるけれど、リアルで人を前にすると語れないことがある。普通は逆のパターン(対面はいいがオンラインで緊張する)が多いんですけどね」


時代によって採用で気をつけるべきポイントが変わってくる、ということだ。


採用は経営そのもの——人材ポートフォリオで考える


採用戦略を考えるうえで重要なのは『人材ポートフォリオ』を意識することだと有賀氏は語る。


「今の組織にこういうタイプが足りないと思ったら、そういう人を採用する。求められる人物像はテクノロジーの進化など時代によって変わっていきます」


ベンチャー企業について、「多様性を重視しすぎると前に進めないのでは」という疑問を投げかけられた有賀氏は、こう答えた。


「ベンチャーかどうかというより、何を重視しているかだと思います。研究開発や新規事業がテーマなら多様な人を集めないとアイデアは出ない。一方で阿吽の呼吸で動ける仲間が必要なら、意識的に同質の組織を作る。目指す戦略の方向性によります」


採用は経営そのもの。3ヶ月で辞めてしまったら意味がない。立ち上がりを早くし、その人の色を出してもらうまでのスピードを短くすることが、組織の器である、と有賀氏は言う。


離職率を下げる答えは『そこで働く人にとって良い会社にする』しかない


離職率を下げるテーマについて有賀氏は明快だ。


「絆創膏を貼るようなアプローチはありません。働いている人にとって良い会社にする以外に答えはない。企業によって、ステージによって、正解も違います」


ただし、業界・国を問わず共通しているのは『成長実感』だという。


「先輩から学べる、上司から吸収できる、チャレンジを通して自分が成長できる、という環境があるか。しかも一時的ではなく、常に今の能力が100だとすれば110や120のチャレンジがある状態が望ましい」


一方で、ライフイベントが重なる時期には、能力100の人がワークロードを80に落とす相談もできるような柔軟性も必要になる。介護や育児、結婚や妊娠など、人生のフェーズごとに必要な配慮は変わってくる。


合わない社員と向き合うとき——『お互いに分かっているか』が分岐点


採用時のミスマッチや、入社後に合わないと感じる社員へどう対応するか。日本の雇用慣行のなかではセンシティブなテーマだ。


有賀氏はまず『お互いに合わないと自覚しているか』を分岐点として挙げる。お互いに自覚があれば、次のキャリアへ向けた支援を行えばよい。


問題は、本人に自覚がない場合だ。


「これを目標に掲げたけれど、ここができていないよね、というコミュニケーションから始めるしかない。行動量が担保されていない、この具体に対して指摘して、改善されればそのまま続けられる。すり合わせが非常に重要です」


例外的な働き方(たとえば世界一周しながらフルリモートで働きたい等)を一部の社員に認める場合は、本人の能力と貢献を踏まえたうえで条件付きで認めること、そしてそれを誰でも認められるものではないと他のメンバーに明確に伝えることがセットで必要だという。さらに結果が出ない場合は売買(線引き)をする覚悟も経営者には求められる。


信念を曲げない——2人のロールモデル


45年間で10社という有賀氏のキャリアの背景には、『勝負どころで逃げなかった』結果として会社を変わらざるを得なかった経験が何度かあるという。


その信念の源には、2人のロールモデルがある。


ひとりは、最初の会社(日本鋼管、現JFEスチール)で1年先輩だった八木氏。日本の人事実務家として著名な人物で、リクシル副社長も務めた。当時、有賀氏が経営企画として何かを発言すると、いつもこう切り返された。


「経営企画の意見なんか聞いていない。お前はどう思うんだ。お前の考えをお前の言葉で語れ」


組織の意見にしてぼやかすのではなく、自分の信念を語れ——この姿勢が原点となった。


もうひとりは、ミシガン大学ビジネススクール在学時の恩師、コア・コンピタンスの概念を提唱したC.K.プラハラド教授だ。プラハラド教授は、GM、IBM、AT&T、GE、パナソニックの5社のケーススタディを通じて、「文化や国民性のせいにするな。正しい戦略を取れば良い結果が出る。間違った戦略なら悪い結果になる。それだけだ」と教えた。


MBAプログラム最後の授業で教授は学生たちに語ったという。


「明日から実社会に戻れば、よくて中間管理職。上司もいれば、足を引っ張る者もいる。それでも信念を曲げず、自分が正しいと思うことをやれ。その会社が信念を通せる場でないなら、そこにいることをよしとするな」


この2人の姿が、有賀氏のなかで常にベンチマークとして存在している。


起業を選ばなかった理由——『社員に辞めてもらう辛さ』


それだけの信念を持つなら、なぜ自身で起業しなかったのか。問われた有賀氏の答えは意外なものだった。


ひとつは年齢の問題。もうひとつは——社員に辞めてもらわなければならない局面の辛さだった。


「自分が経営者として力が足りなくて社員にやめてもらわなきゃいけない経験を、二度としたくないと思って。怖くて人を雇えない」


社長時代、何年も一緒に仕事をした仲間——結婚式に呼ばれ、子どもの誕生を一緒に祝った相手——に辞めてもらう局面があった。それは『自分が首になるよりも辛い』という。


「ただ、これは経営者としてはダメなんですよ」と有賀氏は付け加える。


経営者は『監督』と『キャプテン』を併せ持つべき


有賀氏が繰り返し語るのが、リーダーには『監督タイプ』と『キャプテンタイプ』の両面が必要だという話だ。


ワールドカップに日本代表を2度導いたある監督は「選手と絶対に友達にならない」と語ったという。代表23人を選ぶときに『あいつは気に入られているから選ばれた』と言われてはいけない。ピッチに立つ11人を勝つために選ぶ——これは典型的な『監督』である。


一方で、青山学院大陸上部の原監督や野球の栗山監督は、選手と近い距離をつくるタイプだ。栗山氏が大谷翔平のメジャー挑戦を後押ししたのは、自チームの主力流出を意味する。昔の監督ならそんな選択はしないだろう。


プロ野球の原辰徳氏についても、3度の監督就任で姿を変えてきたと有賀氏は分析する。最初はキャプテンの延長で味方とグラウンドで飛び跳ねていた。3度目の監督就任時は、ピンチでも腕組みをしてニヤッと笑う『監督』の顔になっていた——一人のリーダーの中で、キャプテン要素と監督要素の比率がキャリアのステージで変わっていく。


ベンチャー始まりではあえて『HRキャプテン』


株式会社始まりにおける有賀氏の肩書は、CHRO(最高人事責任者)ではなく『HRC(HRキャプテン)』だ。


「めちゃくちゃキャプテンやってますね。監督ではなくて、最前線でAやBやCをやって出てくる」


そしてシニア人材へのメッセージも明確だ。


「シニアな人はみんなベンチャーに行って手を動かすべきだと思いました。止まったら死ぬ。仕事に限らず、近所の子供に英語を教えるとか、何かをやっていないと多分死ぬ」


採用、育成、活性化——人と組織のあらゆる側面に向き合い続ける姿勢が、66歳の『新入社員』の言葉から伝わってくる取材となった。


※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです

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目次

  1. 1.66歳でベンチャーへ飛び込んだ人事のプロ
  2. 2.日米の現場で気づいた『年功序列と実力主義』の意外な実態
  3. 3.採用で見るべき『2つの軸』とカルチャーフィットの掘り方
  4. 4.採用の失敗を減らす方策と、コロナ世代特有の落とし穴
  5. 5.採用は経営そのもの——人材ポートフォリオで考える
  6. 6.離職率を下げる答えは『そこで働く人にとって良い会社にする』しかない
  7. 7.合わない社員と向き合うとき——『お互いに分かっているか』が分岐点
  8. 8.信念を曲げない——2人のロールモデル
  9. 9.起業を選ばなかった理由——『社員に辞めてもらう辛さ』
  10. 10.経営者は『監督』と『キャプテン』を併せ持つべき
  11. 11.ベンチャー始まりではあえて『HRキャプテン』
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