上場企業経営者でアーティストでもあるゆとり創哉氏、SNSで急伸するランボー氏、AI研修事業のうすたく氏。発信者として注目を集める3人が、メディア露出による疲弊、嫉妬、結婚願望、そして強者ポジションでの立ち回りまで本音で語り合った雑談を再構成。
本記事は、M&A CAMPで企画された経営者の食事会の模様を再構成したものである。当初は田端信太郎氏と若手経営者の対談として企画されたが、田端氏が家庭の事情で参加できなくなり、急遽ゆとり創哉氏(上場企業経営者・アーティスト)、ランボー氏(インフルエンサー)、うすたく氏(AI研修事業)の3名による雑談として収録された。司会はM&A CAMPのMC・片岡氏が務めた。
冒頭は「インド帰り」のうすたく氏の話題から始まる。今回で5回目のインド渡航だというが、お腹を壊しても「全然いける」と語るスタンスに、ランボー氏は「俺は無理。シティボーイだから」と応じ、自虐ぎみに自身を「神奈川出身」「ポパイの表紙みたいな世界の人」とからかわれる場面もあった。
ランボー氏は、2024年2月に投稿したインスタグラムのリールがバズり、3週間で10万人のフォロワーを獲得。当時のエアインフルエンサー1位を3週間で抜いたという。動画でも触れられているように、ティファニーやブルガリの店内広告にも露出するなど、ビジネス領域を超えた知名度を獲得している。
ゆとり氏も「田中けい氏とランボー氏がここ1年で一気に先に行った感覚がある」と語り、SNS発信における存在感の大きさを認めている。ランボー氏自身は「選挙の流れに乗れたのが大きい」「成田悠輔氏の番組に拾ってもらったのが本当に大きい」と振り返る。
うすたく氏は、AIの研修事業を法人・行政・大学・個人向けに展開しており、年間で延べ6万人が講座に参加しているという。1人5,000円という価格設定について、本人はこう説明する。
他社がAIスクールを50万〜100万円で販売せざるを得ないのは、LINE追加1件あたり1万円、そこからウェビナー、スクール販売へと進むフローで顧客獲得単価が数万円〜10万円に達するためだ。一方、うすたく氏は広告費を一切かけずSNS発信で集客しているため、業界相場と比較して圧倒的に低価格で提供できる。
ゆとり氏も自社のアパレルビジネスについて「広告費をかけて単価を上げるのではなく、お金をもらって発信できているからむしろ単価を下げられる」と同様のモデルであることを共有。発信者であることがビジネスの構造そのものを変えているという視点で意見が一致した。
ゆとり氏は、ここ1年ほどはメディア露出を意識的に抑えていることを明かした。理由は「他のメディアではエッジが立つから、それに乗っかっていた自分が疲弊していた」と語る。
自分のYouTubeチャンネルでは好きなことを話せるが、外部メディアでは消費されるスピードが速い。「12ヶ月ほど前から、サブロー(疲弊感)が出てきていた」と振り返り、現在は音楽活動を再開し、歌詞も書けるようになったという。「1個のところにフォーカスして、ある程度やったら次のモードに切り替えるしかない」と、自分の中での切り替え方を共有した。
一方、うすたく氏は「自分には発信が向いている」と語り、毎日11時に就寝、6時起床、朝走って仕事と発信に集中する生活を送っているという。「人に比べて疲弊度は相当少ない」と語る一方、「2、3時頃になると急に落ち込んで、インスタの裏垢に長文を書いてしまう」という人間らしい一面も明かした。
話題は、ランボー氏が将来的に都知事選への出馬を視野に入れていることへ。
ランボー氏は出馬を志す理由を、3つに整理して語った。
第一に、子供の頃からの一貫した関心。小学生の頃、街頭演説を「路上ライブ」と勘違いして通っていたという。選挙ポスターの前で立ち尽くす子供として親に通報されかけたエピソードや、朝日小学生新聞を読み込んでいたこと、慶応SFCではなく国際基督教大学(ICU)の入試で小論文と面接を受けたことなどが語られた。
第二に、消極的な選択肢として。周囲がエリート就活で銀行・コンサルを目指す中、自分はそこで頑張れる気がしなかったという。
第三に、ノーバックグラウンドで連邦を倒すような新しい流れが生まれていること。「30代で足立区長になった例や、蓮舫氏を倒した事例を見て、これは行けると思った」と語り、2032年(6年後)の都知事選を見据えていると明かした。同席したゆとり氏は「ハマちゃんさんも出てくる可能性がある激戦になる」と応じた。
うすたく氏は、自身の中期戦略について「2026年以降、地上波テレビでAIをガンガン使うフェーズが来る。そのときの解説的なポジションを取りたい」と明確に語る。
現在は『ガリベンチャV』(テレビ朝日系)に毎週レギュラー出演し、画面共有しながらGeminiを操作する形でAI活用を解説している。「お茶の間に分かりやすく寄り添ってAIを解説するイケメンAI専門家」という座を本気で狙っているという宣言に、場は笑いに包まれた。
うすたく氏は、自身が会社の最速上場や売却を明確な目標にしているわけではないと語る。代わりに掲げているのが「社会的インパクトがあり、品があり、ウィットに富んだ面白い大人になりたい」というビジョンだ。
単に稼いでいるだけでなく、品があり、ファニーではなくインタレスティングであること。これがゴールであり、上場や売却はあくまで手段に過ぎないという。
また、ビジョンボードに「社員の給料を上げる」と明記していることも紹介。現在は業務委託メンバー中心だが、彼らに正社員として年収1,000万円を払えるビジネスモデルを作ることを当面の目標としている。「自分が頑張らない理由は自分自身。会社の売上を10倍にする努力をすべき」と自分を追い込む発想を共有した。
その裏側にあるのは、AI時代特有の焦りでもあるという。「自分の発信のパクリリールがめっちゃ伸びる」「AIで稼げますという広告スクールが乱立している」中で、「今頑張らなければ後悔する」というネガティブな焦りが行動の燃料になっていると正直に明かした。
ゆとり氏は、若い世代の焦りに対して「大きく社会の認知を変えるには時間が長くなる」と応じた。
「売上5億円のときには5億円分のことをやれば裏切れるが、100億円のときには100億円分のことをやらないと裏切れない」。事業規模が大きくなるほどに大きな成果が出るまでの時間軸が長くなる、というのが上場企業経営者としての実感だ。
メディア露出のスタイルについても、現在は「ちょっとキュッとやりたい」つまり、あまり出ずに引くフェーズに入ったと語った。一方で、ファン向けの公式LINEでの自撮り発信は継続しているといい、ライブの集客のためという実利的な理由も明かされた。
話題は雑談色を強め、結婚観へ。
うすたく氏は「毎日結婚したいとしか言ってない。秘書にずっと結婚したいと言っている」と語り、家に帰った時に他愛のない話ができる相手がいてほしい、朝にコーヒーを淹れて朝食を一緒に食べてから仕事に行く生活に憧れる、と告白した。一方で、「今は頑張りどきだから作らない言い訳をしているだけ。本当はいた方がカッコいい」と本音も漏らした。
ランボー氏は2032年の選挙を見据えて「結婚は絶対したい」と語り、ゆとり氏も同調。一方、本作の司会は2024年に結婚し、生活リズムが変わったと共有した。
後半、ランボー氏は自身のスタンス変化について語った。
「以前はチャレンジャーだったから、下から上に噛むような発信が許された。けれど、今同じことをやると弱いものを叩く構図になる」。フェミニズム領域や時事問題で「角度をつける」発信で爪痕を残してきた一方、立場が変わった今は「無理に誰かを大上から叩くようなことを言うべきではない」「人の悪口は言わなければ言わないほどいい」という方針に転換しつつあるという。
ゆとり氏も「敵はより強い力を持つ相手に向けるべき」と応じ、強者になったポジションでの発信戦略の難しさを共有した。
また、ランボー氏は「SNSで誰かを名指しで批判しないことに決めている」と語る。「個人名を出すと、褒める時ですら『この人は褒めたのにあの人は褒めていない』という邪推を生む」と、表現の難しさを実感を込めて述べた。
メディア露出と経営のバランスというテーマに対し、3人の立ち位置は対照的だった。上場企業経営者として「キュッと引く」フェーズに入ったゆとり氏。地上波AI解説者という具体ポジションを狙ううすたく氏。チャレンジャーから強者へと立場が変わり、発信スタイルの転換期に立つランボー氏。
共通していたのは、発信そのものが事業構造の競争優位を生み出していること、そしてその力を持つがゆえに、立ち振る舞いを慎重に設計しなければならないという認識だった。発信が事業のレバレッジになる時代における、それぞれの「次の一手」が垣間見える対話だった。
※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです


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