アドウェイズ創業者で「オールドルーキーサウナ」店長も務める岡村陽久氏が、経営者に薦める健康習慣を語る。中学の同級生でうつ病・不眠症に苦しんでいた福田氏が、サウナ通いで2ヶ月で社会復帰した実体験も収録。
本記事は、M&A CAMPがオールドルーキーカフェにて、アドウェイズ創業者の岡村陽久氏と、同店アルバイト見習いの福田氏に「経営者の良い習慣」をテーマに話を聞いたインタビューの再構成である。
岡村氏は冒頭、自身を「本業はオールドルーキーサウナの店長とオールドルーキーカフェの店長で、副業でアドウェイズもやっている」とユーモアを交えて自己紹介した。一方の福田氏は、岡村氏の中学校の同級生。2ヶ月前まで2年間、無職・うつ病・不眠症で引きこもり生活を送っていたという。
「借金も膨れ上がって、ずっと家にいた。ある日、岡村から『明日お前に自転車を買ってやる。明後日からお店に仮バイト見習いとして出勤してこい』と電話がかかってきた」と福田氏は振り返る。電話を無視し続けると、岡村氏は実際に家まで何度も訪ねてきて、福田氏を強制的に出勤させたという。
岡村氏が経営者に薦める習慣の一つ目が筋トレだ。ただし、いわゆるムキムキを目指すスタイルではない。
「パーソナルジムに週2回通っているが、最も短い30分コースを交渉して作ってもらった。汗は一滴も出ない」と岡村氏は言う。スクワット、背中、胸の「ビッグ3」を30分でこなすシンプルな構成だ。
コロナ前は筋トレをしていたが、コロナ禍で中断したことで寝付きが極端に悪くなった経験から、筋トレを再開したという。
「私は今年44歳だが、40代になると腰が痛くなる、寝れなくなる、疲れやすくなるなど、いろんなところにガタがくる。筋トレをするとそのガタがだんだん消えて、眠りもよくなる。経営は体力が必要な仕事。筋トレをすると体も心もシャキッとして、いつでもやる気満々な状態を維持できる」
二つ目の習慣がサウナだ。1日の頭のモヤモヤをリセットし、睡眠の質を高めるために有効だという。
「経営をしていると、頭にモヤモヤを抱えたままベッドに入ることになる。サウナで一旦そのモヤモヤをゼロにすると、翌日の目覚めがまったく違う」
ここで岡村氏が強調するのが、自身が手がけるオールドルーキーサウナの設計思想である。一般的にサウナは「3〜4セットで整える」とされるが、それでは経営者は時間が取れない。
「オールドルーキーサウナはサウナ室がめちゃくちゃ熱く、水風呂もシングル(10度以下)。5〜6分入って水風呂に30秒で、たいていの人は1セット目で整う。短い人なら20分、自分なら10分で済む。ワンセットで整えられるのは、おそらく都内でうちぐらい」
本インタビューで最も生々しいのが、福田氏のうつ病脱却体験である。2年間、最寄りのコンビニと診療内科しか行かず、コンビニまで歩くのも息切れしていた状態から、サウナに通い始めて2週間で大きく変わったという。
「今はどこまででも自転車で移動している。対人関係も明るくなった。もともと2日寝られず1日中寝る、3日寝られない、というレベルで、2リットルのウイスキーをガブ飲みして気絶するように寝ていた。それが今は、寝付きはまだ悪いが毎日少し寝られるようになった」
岡村氏が福田氏に課した「処方箋」はかなりの強行軍だった。三軒茶屋から渋谷のオールドルーキーサウナまで自転車で行き、3セット。次に六本木店まで自転車で移動して3セット。さらに銀座店まで自転車で行って3セット。1日合計9セットである。
「最初は不眠症が治ったと思ったら過眠症になった。12時間くらい寝てしまって、週2しか出勤できなかった。Twitterでつぶやいたら、サウナ協会の加藤先生(加藤容崇氏)から『9セットは多すぎる、3セットにしたほうがいい』と指摘をもらい、3セットに減らしたら8時間ぐらい安定して寝られるようになった」
岡村氏は、エンジニアを中心に休職する社員を多く見てきた経験から、独自の見解を語る。
「うつ病になったり自律神経失調症になったりする社員はめちゃくちゃ多い。家でゆっくり休めと言われても、ワンルームでやることもなく昼間に寝てしまい、夜寝られなくなる。夜寝られないから余計なことを考え、精神に来る。土台はそもそも不眠症で、不眠症が生み出す病気がうつ病だと考えている」
だからこそ対処法はシンプルだ。「とにかく寝られるようになれば、うつっぽくならない。家でぼーっとしていても不眠症は改善しない。筋トレしてサウナに入って、腹が減って食事も取って、ちゃんと体を動かしてちゃんと飯を食えば、だんだん寝られるようになる」
自称「都内で5本の指に入るヘビースモーカー」の岡村氏は、喫煙についても率直に語った。
「正直、体には良くないと思う。ただタバコは精神的なダメージを緩和できる。1日のストレスをなくすのはサウナだが、小さな怒りやストレスを消してくれるのがタバコだと思って吸っている」
例として、カフェに来た際にジュースが補充されておらず一瞬怒りを覚えたが、タバコを吸って怒りが消えたエピソードを挙げる。「1日80本吸っているが、本当に怒りで必要なのは3本くらい。残り77本は余分」と笑う。
他のストレス解消法と比較した上での独自の視点も披露した。
「ギャンブルよりお金が減らない。お酒は記憶を失って女性関係や暴力沙汰、翌朝出社できないなど社員からの信頼を失うこともある。タバコで記憶を失うことはまずないので、社会的なダメージはタバコのほうが少ないと思っている」
なお、健康診断では「80本吸っているとは思えないほど肺がきれい」と医師に言われており、「もしかしたら、ふかしているだけでちゃんと吸っていないのかもしれない」と推測する。
話題は岡村氏の経営哲学にも及んだ。アドウェイズには「儲からないだろう」と思える子会社も多いが、それには明確な理念がある。
「アドウェイズの経営理念は、『何これすげえ、こんなの初めて』というものを提供して、人儲けを実現すること。売上を上げて利益を上げるだけの会社は山ほどある。その1つになりたくない。社会に対して『何これすげえ』と言われるようなサービスを通じて、関わった人が良かった、儲かったと思ってもらえる会社でいようというのが存在価値だ」
そのためサウナ事業も、社内では反対されなかったという。「『何これすげえじゃん、それアドウェイズだよね』と言ってくれる経営陣が多かった」
福田氏のように同級生を雇うことについて、若手起業家へのアドバイスも語られた。
「アドウェイズは最初の創業時だけ前職の同僚と立ち上げたが、それ以外は全部採用で、知人は1人もいない。意識的にやりづらいと思ったから」
一方、サウナ事業では同級生採用がうまく機能している理由をこう分析する。「お互い40を超えていて、若かったらぶつかったかもしれないが、今は友達だろうがなかろうが大人の対応がそれぞれできる。深夜の緊急対応を頼みやすいというメリットもある」
若手起業家には「ある程度経験した人のほうがいい」とアドバイスする。
本インタビューで岡村氏が経営者に推奨した習慣は、以下の4つに整理できる。
- 筋トレ(短時間でもよい、ビッグ3中心)
- サウナ(1日のモヤモヤをリセットし睡眠の質を上げる)
- 良質な睡眠(うつ病対策の本丸は不眠症対策)
- 喫煙(賛否はあるが、ストレス処理装置として個人の判断で)
うつ病・不眠症は「家で休む」だけでは改善しないことが多く、運動とサウナで体を動かし、食事と睡眠のリズムを取り戻すというアプローチが、福田氏の事例で実証された形だ。経営者にとって、心身のコンディション管理は意思決定の質に直結する経営課題そのものといえる。
※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです


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