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総合>ビジネス動画>DMM亀山会長が語るピンチの乗り越え方|「所詮金だから」と言える経営哲学の源流

DMM亀山会長が語るピンチの乗り越え方|「所詮金だから」と言える経営哲学の源流

2024/8/4
M&A CAMPチャンネル
M&A CAMPチャンネル運営局

40年間赤字なしのDMMが初の赤字を経験した今回の事件。創業者の亀山敬司氏が語る、ピンチを「ほどよい筋トレ」に変える経営術と、海外放浪・露店商売から築いた独自の人生観に迫る。

40年で初の赤字、それでも「所詮金だから」と言える理由


DMM.com創業者・亀山敬司氏は、40年間一度も赤字になったことのない同社が初めての赤字に直面したという大きなピンチを経験した。しかし本人の表情に悲壮感はない。


「器を超えるピンチって死んじゃうじゃない。だからほどよく器の中で潰れない、死なない程度ならちょっとぐらいピンチあった方が人は育つというか、会社も鍛えられる」


リーマンショックやオイルショックの時に経費を見直したり採用を絞ったりして組織が引き締まるのと同じで、適度なピンチは筋トレのようなものだという。傷が深すぎて心臓まで届けば致命傷だが、ほどよい痛みなら経営力が上がる。


ピンチが教えてくれた「資金管理の緩み」


今回の件でDMMはあちこちから資金を集めて補填できたが、亀山氏はむしろ気づきを得たという。


「経理側がちょっと緩めにしぐれしてた。余裕あったからね。でも本当はギリギリにしといて、余ったお金はファンドで動かすとか別の使い方をしていくと、年23億毎年得をしてた」


今回の出来事をきっかけに資金の見直しが進み、これから毎年3億〜4億円ほどの利益増が見込めるようになったと前向きに捉える。


「半年分の余剰資金」と分散思想


亀山氏が考える備えの目安は「出ていくお金の半年分」。DMMの場合、入金先がBtoBでもBtoCでも細かく分散しているため、特定の取引先や事業が傾いても全体が一気に倒れるリスクは低い。


「自分の命は自分で守らないといけない。コロナの時はさすがに誰も予想してなかったから国も補助したけど、リーマンの時はそんな補助しない」


常に借入か自己資本かを問わず余剰資金を確保し、「下手するとこんなことになるよ」という最悪を想定しておくことで、事業上は生き延びられるという。


投資しきれない悩み「利益の100%投資してもいい」


面白いのは、亀山氏にとっての悩みが「投資しきれていない」点にあることだ。


「どっちかというと、ほとんど利益の半分以上、できれば100%投資してもいいぐらいの思いでやってる」


現在DMMは56もの新規事業に資金を分散投入。創業初期から「いつもお金が足りない」状態が続いていたが、ビデオレンタル時代は仕入れた商品が翌日には現金として戻ってくるため、預金残ほぼゼロでも回していた。サービス業で実物の在庫リスクが小さかったことも幸いだった。


中学・高校時代——美術の道を諦め、落ちこぼれへ


石川県加賀市の片山津出身。小学校では成績優秀だったが、中学時代は美術の道を志していた。全国レベルの賞も受賞し、自信を持って臨んだあるコンクールで、自分より上手いはずの絵が最優秀賞を逃し、別の作品が選ばれた。


「先生に聞いたら『これは鹿の目が生きてます』って言うんだけど、俺はずっと見てたけどわからなかった。あ、俺は才能ないなと思った」


そこで美術を諦め、高校では落ちこぼれに。「みんなの輪にも入っていけないし、恋愛もいまいち、運動もしない地味な高校生活」だったと振り返る。


露店との出会い——師匠は「リンコさん」


大原簿記学校に進むも、税理士の道に夢を感じられず中退。友人と150万円ずつ貯めてレンタルレコード店を開くために、深夜のバイトに明け暮れる日々を送った。


転機は始発を待つ駅でのタバコの火を貸した一瞬の出会い。30〜40代に見える「魔女みたいな口紅も黒くて頭ぐちゃぐちゃ」のおばちゃん——リンコさん——から露店商売の世界を教わることになる。


「俺の人生の最初で最後の師匠かも」


おかちまちでの仕入れ先、アクセサリーの作り方、コインの曲げ方、祭りの回り方。100円仕入れの商品に名前を入れて500円で売る商売を学んだ。後年探偵まで使って探したが、再会は叶っていない。


海外放浪が変えた自己肯定感


露店で稼いだ金を握りしめ、メキシコをはじめ「やばいところ」ばかりを旅した。物価が安く、日本では味わえない刺激がそこにあった。


「日本帰ってくると意外とモテるのよ。『海外ちょっと旅してきちゃってさ』って言ったら、なんかかっこいいみたいな」


高校時代に欠けていた自己肯定感が、海外経験で「勘違いから周りの勘違い」を生み、徐々に自信に変わっていった。三島由紀夫、太宰治、ロシア文学——暇つぶしに持参した本を片っ端から読み、自分自身と向き合う時間を持った。


「どう生きたらかっこいいか、どう生きたら幸せか考え出すと、自分の仕事もすごく俯瞰的に見れる。仕事に振り回されたくないじゃない」


「所詮金だから」——執着を手放す感覚


貧しい国の裏通りの暗さ、資本主義のおかしさを肌で知ったことが、「所詮金だから」と言える経営者の素地となった。


「最悪、家もいるかみたいな話じゃないと思う。受け皿が20代でできた」


しかし日本に帰ればまた執着が戻る。だから亀山氏は今も4年に1回ペースで海外に行く。「行きたいわけじゃない。行かなきゃまた自分ダメになるから。修行よ、修行」と笑う。


38歳でインターネットへ——「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が示した未来


ビデオレンタル事業からインターネットへの転換は38歳の時。きっかけは友人の印刷屋から見せられたメディアプレイヤーの動画再生だった。


「カクカク動いてるのを見て、あ、これが将来のインターネットの世界かなと」


ビデオレンタルがいずれ消えると確信していた理由は、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にビデオレンタル店が登場しなかったことだったという。


堀江貴文氏に「メールじゃないと仕事しません」と言われ、北斗の拳のタイピングソフトでブラインドタッチを練習した。アルバイトに本を渡してインターネットを学ばせ、会員数を伸ばせば時給を上げる仕組みで人材を育てた。


DMMのインターネット事業は創業から8年間赤字。それをビデオレンタル・DVD販売の利益で補い続けた。


「Amazonが売上伸ばしたらずっと赤字でもいいって感じでやってた。あれを見て、これで株価つくんだと思って。利益ゼロぐらいでやって、キャッシュは潤沢だから運営し続けられる」


まとめ——ほどよい不幸を集める人生観


亀山氏が好きだというザ・ブルーハーツの歌に、「なるべく小さな幸せをなるべくいっぱい集めよう」というフレーズがある。


「小さい幸せ・不幸を集めることが、自分自身の蓄積につながる。不幸は味わってないと幸せ感じられない」


器を超えないピンチを経験することが経営力を鍛え、海外で味わう不便さが日本での執着を相対化する。亀山流の経営哲学と人生観は、「ほどよい痛み」を意識的に取りに行く姿勢に貫かれている。


※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです

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目次

  1. 1.40年で初の赤字、それでも「所詮金だから」と言える理由
  2. 2.ピンチが教えてくれた「資金管理の緩み」
  3. 3.「半年分の余剰資金」と分散思想
  4. 4.投資しきれない悩み「利益の100%投資してもいい」
  5. 5.中学・高校時代——美術の道を諦め、落ちこぼれへ
  6. 6.露店との出会い——師匠は「リンコさん」
  7. 7.海外放浪が変えた自己肯定感
  8. 8.「所詮金だから」——執着を手放す感覚
  9. 9.38歳でインターネットへ——「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が示した未来
  10. 10.まとめ——ほどよい不幸を集める人生観
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