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総合>ビジネス動画>伸びる起業家には3種類いる──田端信太郎が語る、サラリーマン経験と組織スケールの本質

伸びる起業家には3種類いる──田端信太郎が語る、サラリーマン経験と組織スケールの本質

2024/3/11
M&A CAMPチャンネル
M&A CAMPチャンネル運営局

前澤友作氏や堀江貴文氏を間近で見てきた田端信太郎氏が、起業家を3つのタイプに分類。サラリーマン経験の有無が組織スケール時にどう影響するのか、上場という手段の本質まで深く語る。

起業家には「3種類」存在する


M&A CAMPで田端信太郎氏に「伸びる起業家の特徴」を聞いた。前澤友作氏(ZOZO創業者)や堀江貴文氏など、数多くの経営者を間近で見てきた田端氏は、社長を大きく3つのタイプに分類できると語る。


1つ目は、サラリーマン経験が一切ない学生起業家タイプ。前澤氏や堀江氏がその代表例だ。2つ目は、サラリーマン経験を経てから創業したオーナー社長タイプ。3つ目は、株をほとんど持たずに大企業を率いる「本当のサラリーマン社長」で、LINEの出澤氏やリクルートの峰岸氏のような経営者がこれに当たる。


「働きやすいのは、サラリーマン経験のない人ではないんですよ。むしろよくも悪くもサラリーマン経験のない人の方が、面白い」と田端氏は語る。


合理的な「サラリーマン社長」と、規格外の「オーナー社長」


プロ経営者的なサラリーマン社長は、合理的で理にかなった判断を下す。一方で、「自分の殻を打ち破るような、ものすごい体験」をもたらしてくれるかというと、そうとは限らない。普通にサラリーマンとして働く分にはやりやすい相手だ。


対照的なのが、純粋なオーナー社長。田端氏は楽天モバイル参入時の三木谷氏や、サイバーエージェントの藤田氏を例に挙げる。「周りの側近はみんな『やめた方がいい』と言ったはず。でも、それでもやるんだ、というのがオーナー社長のすごさ」。常識を超えた決断を下せるのは、株を握っているオーナーだからこそだという。


上場後に伸び続ける会社は「ハーフ」が強い


田端氏が興味深い指摘をするのは、サラリーマン経験を持つオーナー社長、いわば「ハーフ」型の優位性だ。


「上場した後に伸び続ける会社って、ハーフの要素がないと結構むずいなと最近思います」


3〜5年の追い風で上場まで漕ぎ着けたものの、社員50〜100人、売上20〜30億、時価総額100〜200億あたりで停滞する企業は数多い。0から1、1から10は作れても、10から100にスケールできない。


ここで「いい意味で組織的に、もっときつい言葉で言うと官僚的に」運営する力が問われる。大企業でのサラリーマン経験を肌感覚で持っている経営者は、ここでギアチェンジができる。一方、叩き上げで来た成り上がり型は「面倒くさい」と感じてしまい、10人いたら8〜9人は失速するという。


プログラマー型経営者は「時計を作る」


組織設計の巧みさという観点で田端氏が挙げたのが、ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグといったプログラマー出身の経営者だ。


「プログラムを書くことと組織を設計することは似ている。社長は『時を告げる』のではなく『時計を作る』とよく言われますが、プログラマー的な発想をする人は、KPI設計など、それが自然にできやすい」


コードを書くように、組織の仕組みを設計する。属人性に頼らず再現性のある仕組みを構築できることが、スケールする企業の条件となる。


前澤友作氏は「新しい時計そのもの」を作る人


では前澤友作氏はどちらのタイプか。田端氏の答えは独特だ。


「前澤さんはアーティスト。ZOZOの社員数は連結で1000人ぐらいだったのに、時価総額1兆円までいった。あの人は性善説で人をマネジメントする人で、採用権限を与えて『良かれと思ってやっている限り、基本的に信じよう』というスタンスがめちゃくちゃあった」


田端氏は前澤氏を、振り子式や日時計といった既存の時計ではなく「新しい時計そのものを作ろう」とするビジョナリーだと表現する。「俺のために働け」と命令するのではなく、「世の中はもっと進化するべきだから、一緒に作ろう」と巻き込んでいくスタイルだ。


上場は「貧乏人がやること」──アパホテル流の経営観


話題は上場の意義にも及んだ。田端氏は、時価総額至上主義から距離を置く経営スタイルにも注目している。チームラボ、サントリー、アイリスオーヤマ、DMMの亀山敬司氏など、非上場のまま長期で成長させている企業の例だ。


アパホテルの社長が「上場は貧乏人間がやること」と語ったエピソードを引き合いに、田端氏はこう続ける。


「上場って資金調達なわけです。本業で儲かっていて、銀行がちゃんと貸してくれるなら、わざわざ上場する必要はない。そういう意味で『お金が足りない貧乏な会社がやること』というのは一理ある」


上場はあくまで手段でありスタートラインに過ぎない。それ自体を目的にしてしまうことへの警鐘でもある。


自身は「真ん中の不発弾」──田端氏の自己分析


田端氏自身は3タイプのどこに位置するのか。本人は冷静に自己分析する。


「真ん中のなりそこね、できそこないじゃない? 20年以上サラリーマン経験があったのは消せないし、隠そうとも思ってない。でも一番しょうもない『不発弾の真ん中社長』みたいな感じ」


さらに自身が「人にそんな興味がない」タイプであることを率直に語る。部下が100人を超えると名前と顔が一致しない、誕生会やバレンタインのチョコをもらっても「役職に対してもらっているだけで申し訳ない」と感じてしまう──。


「大きな破れ船は絶対に作らないけど、大きな果実もない」と自嘲気味に語る田端氏の言葉には、起業家タイプの分類を冷静に観察してきた人間ならではのリアリティがある。


まとめ:起業家タイプを知ることがM&A判断にもつながる


田端氏の語る「3種類の起業家」フレームワークは、自身のキャリア選択や、買収・出資判断にも応用できる視点だ。


- 純オーナー社長は突破力に優れるが、組織スケールで詰まりやすい

- サラリーマン社長は合理的だが、突き抜けた成長は生みにくい

- ハーフ型こそ上場後の継続成長で強みを発揮する


そして、上場すること自体が成功ではないという視点。創業者の性格が、企業の成り立ちや事業ポートフォリオの構成にまで色濃く反映されるという指摘は、M&A検討時に経営者を見極める上で示唆に富む内容だ。


※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです

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目次

  1. 1.起業家には「3種類」存在する
  2. 2.合理的な「サラリーマン社長」と、規格外の「オーナー社長」
  3. 3.上場後に伸び続ける会社は「ハーフ」が強い
  4. 4.プログラマー型経営者は「時計を作る」
  5. 5.前澤友作氏は「新しい時計そのもの」を作る人
  6. 6.上場は「貧乏人がやること」──アパホテル流の経営観
  7. 7.自身は「真ん中の不発弾」──田端氏の自己分析
  8. 8.まとめ:起業家タイプを知ることがM&A判断にもつながる
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