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総合>ビジネス動画>【箕輪厚介】成長=幸せだと思っていた方が幸せだった――起業家が「飽き」と向き合う方法

【箕輪厚介】成長=幸せだと思っていた方が幸せだった――起業家が「飽き」と向き合う方法

2024/3/8
M&A CAMPチャンネル
M&A CAMPチャンネル運営局

編集者・起業家の箕輪厚介氏が、M&Aでロックアップを終えた経営者との対談で「成長=幸せ」だと信じていた時代と、その答えを失った後の生き方について語る。習慣を大切にすることで取り戻した日常のリズムや、上場ゴールが理に叶わなくなった時代における幸福の多様化を論じた一本。

事業を売却し、ロックアップ期間を終えた経営者は、達成感とも燃え尽きとも違う独特の感覚に襲われることがある。「成長こそが幸せだ」と信じて走り続けてきた人ほど、その先で立ち止まったときに何を指針にすればいいのか分からなくなる。本記事では、編集者・起業家として知られる箕輪厚介氏が、M&Aを経た経営者との対談のなかで語った「飽き」との向き合い方、習慣の大切さ、そして幸福が多様化する時代の生き方を再構成して紹介する。


「成長=幸せ」だと思っていた方が、実は幸せだった


対談の冒頭、M&Aを終えた経営者が「事業売却で少し肩の荷が下りた。燃え尽き症候群とは違うが、成長=幸せだと思っていた頃の方が幸せだった」と切り出す。これに対し箕輪氏は、自著『カオスに飽きた』でまさに同じテーマを書いたと応じた。


「ベストセラーを出すとか収益が上がるとか、ずっとそれを追い求めてきた。でも、それが何のためにやっているのか分からなくなって、半ば中毒のようになっていた」。箕輪氏は本に書いたテーマに気持ちが引きずられすぎ、昨年末には「何のために頑張っているんだろう」ということしか考えられなくなったと振り返る。


年末年始に答えを出そうと沖縄に行き、ノートに来年やりたいことを書こうとしたが、一切書けなかった。最終的に「諦めて、習慣を大切にしよう」と決めたことで、ようやく自分を取り戻したという。


「永遠に続く」のではなく「点を打つ」生き方へ


かつての箕輪氏は、毎日カオスのように連綿と続いていくことが正解だと考えていた。「1年も2年も3年も、1日2日3日も、何の区切りも打たずに永遠に続いていく。仕事から次の酒席へ行って倒れるように寝て、また朝起きる」。そんな日々を肯定していた。


しかし今は、朝起きて瞑想をする、神社に行く、休肝日を作って人にあまり会わない日を設ける――そうやって「点」や「丸」を打つように区切りを置くことで、生活にリズムが戻ってきたという。「逆に、めちゃめちゃ飲むときは飲む。人生全体に幅ができる」。


ただし、これはあくまで「人生の踊り場」に立ったときの話だと箕輪氏は釘を刺す。「頑張っているとき、夢中のときは、変に自分を律するのも違う。法律に反したり周りを傷つけたりしない限りは、狂ったように突っ走ればいい」。同じことができなくなったタイミングで、初めて区切りを打って1日の充実度を上げるほうへ舵を切ればいい、というのだ。


上場ゴールが理に叶わなくなった時代


話題は、上場企業経営者が直面する成長プレッシャーへと移る。「上場していたら最低130%以上は絶対に成長しなければいけない。ずっと成長を追い続けている人は、どういうマインドでできているのか」という問いに、箕輪氏はこう答えた。


「昔は理に叶っていた。国自体も成長していて人口も増えていた。でも今はもう、理に叶っていないよね」。分かりやすく上場を目指すという選択肢自体が、減ってきている感覚があるという。


箕輪氏自身も、いま準備しているのは「フィナンシェのトークンコミュニティ」。やりたいことが少しあやふやでも、ゆるいサークルのようなコミュニティを作り、参加したい人が10万円でトークンを買い、そこでわちゃわちゃ活動する。トークン価格が12万円になれば「良かったね」となる。応援するだけの人はトークンを買うだけでもいい――そんな自由な集まりだ。


「『上場したい』っていう人、めっちゃ減っていない?」という問いかけに、聞き手も「めっちゃ減っていると思います」と同意する。よほど成長可能性があって、上場することが理に叶っている事業でない限り、それを目指す合理性は薄れている。


幸せが多様化したからこそ、幸せになるのは難しい


箕輪氏がNewsPicks Booksを立ち上げた頃の熱狂、「ビジネス芸人」と呼ばれた時代の最初のタイミングは、「これを猛進したら幸せになれるんだ」と信じられた時代だった。今はその信仰が成立しにくい。


「幸せが多様化しすぎて、結構、幸せになるハードルも意外と難しい」。スポーツ選手は分かりやすい、と箕輪氏は例を挙げる。J1優勝、海外移籍、日本代表選出、ワールドカップ優勝――ものすごく明確な序列があるから熱狂できる。「ビジネスはどこかまで行ったら、そんなに分かりやすくもなくて、自分の価値観との戦いになる。だから、そんなに楽しくないなというところで悩んでしまう」。


「足るを知る」は修羅の道、「成長」のほうが優しい


ここで箕輪氏は、R25のイベントでサイバーエージェントの藤田晋氏らと「幸せとは何か」を議論した際の藤田氏の発言を紹介する。


NewsPicksパブリッシングの井上慎平氏は「弱さとは何か」「足るを知る」といった視点を語った。それに対して藤田氏が言ったのが、「『足るを知る』と言ったほうが優しそうに聞こえるけど、実際は『足るを知る』ほうが修羅の道だ」という指摘だったという。


「成長のほうが、誰でも幸せになれる。指標があるから分かりやすい。『足るを知る』修羅の道を行く能力も自信もないから、僕は日常を永遠に効率化し続けて稼ぎ続けるんです。こっちのほうが安易に幸せになれるので」。藤田氏のこの言葉に、箕輪氏は深く共感したという。


世の中では「競争から降りよう」が優しい言葉のように響くが、実際にそう生きるほうがはるかに難しい。箕輪氏自身、競争から降りようというカレー(書籍)を書きまくったが、「じゃあ何が幸せなのか」と悩み抜き、今は「習慣」という答えに辿り着いている。


振り子のように、螺旋階段のように


対談の最後、聞き手は「振り子のように、螺旋階段のように、こちらの価値観へ行き、あちらの価値観へ行き、どんどん自分を深めて死んでいくものなのかもしれない」と語る。箕輪氏も「正解はないよね」と頷く。


成長と足るを知るのあいだを行き来しながら、習慣によって日々のリズムを取り戻し、ときに狂ったように走り、ときに点を打って立ち止まる。M&A後の経営者にとっても、上場後の経営者にとっても、答えのない問いと向き合い続ける姿勢こそが、次の「夢中」を呼び込むのかもしれない。


※本記事はYouTube動画を元に編集部で再構成したものです

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目次

  1. 1.「成長=幸せ」だと思っていた方が、実は幸せだった
  2. 2.「永遠に続く」のではなく「点を打つ」生き方へ
  3. 3.上場ゴールが理に叶わなくなった時代
  4. 4.幸せが多様化したからこそ、幸せになるのは難しい
  5. 5.「足るを知る」は修羅の道、「成長」のほうが優しい
  6. 6.振り子のように、螺旋階段のように
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